これまでATLASでは発売中止になった幻のゲーム作品として『少年魔術師インディ』>と、『ファミコン版ジャングル大帝』の2作品をご紹介したが、今回もまたこれら2作品に匹敵する幻のゲームソフトをご案内したい。
1980年後半、東芝EMIより幕末の志士・坂本龍馬を題材にしたゲーム、その名も「坂本龍馬」が発売されると某ファミコン雑誌に掲載された。
このファミコン版「坂本龍馬」は「史上初!ヒストリーRPG」と銘打たれており、坂本龍馬を主人公に幕末の日本を冒険するゲームソフトだったようで、一部に配られたチラシにはポリゴンの坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟らしき人物の姿が描かれているほか、独自システムとして「男のコマンド」という本ゲームならではシステムが供えられていたという。
「男のコマンド」がどのようなものはわからないが、配布されたチラシによると、「人と出会い、剣術を磨き、お金を手に入れる」という記述があるため、坂本龍馬らしさをアップさせるようなシステムだったと想像できる。
本タイトルがどのような経緯で発売が中止になったのかはわからないが、ほとんど完成していたようで、前評判もよく発売日も「8月末発売予定」と告知されていたが、相次ぐ発売延期の末、結局発売されることはなかった。
なお、ファミコン版「坂本龍馬」だが、類似のソフトとして『明治維新』というファミコンソフトが存在する。
こちらも坂本龍馬が主人公のゲームだったが、「少年の坂本龍馬がおねしょ癖を治すために江戸へ旅する」という設定、「『はい』『いいえ』の選択肢を間違えると即ゲームオーバー」などの仕様によりゲームファンから「怪作」として名高い一本であり、ときどき本作『明治維新』が『坂本龍馬』と一部混同されて紹介されることもあるという。
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)