2019年5月末、日本のテレビゲームファンの間で衝撃が走る出来事があった。
1990年代前半に発売が告知されていたものの発売が中止になったとされる幻のファミコンソフト『少年魔術師インディ』というゲームソフトが突如、何者かの手によってインターネットオークションへ出品され、なんと150万円という価格で落札された。
『少年魔術師インディ』は双葉社から発売された同名の人気ゲームブックをテレビゲーム化したもので、いくつかのファミコン雑誌やチラシなどに「1993年12月発売」と告知されたもののついに発売されず、ゲームの間で幻のソフトとなっていた一本である。
ファミコンの未発売ソフト「少年魔術師インディ」が2019年にヤフオクに出品されて、海外のゲーム保存団体が狙っていたが、匿名の日本の個人が競り落とした。
そしてその人は半永久的にゲームを保持する事を宣言して、当然ROMのダンプも拒絶した。… https://t.co/0EmvjVbNDo— フシハラ (@Fushihara) May 6, 2024
広告を打ちながらも販売されなかった原因は明らかになっていないが、発売が1993年12月とファミコンソフトとしては後発(既に任天堂はファミコンの後継機「スーパーファミコン」を発売していた)だったため、最終的に発売が見送らてしまったのではないかといわれている。
以来、ゲームファンの間で『少年魔術師インディ』は完成前にお蔵入りになった作品として圧倒的な知名度を得るに至り、その存在はゲームファンの間で伝説化していた。
なお、商品として流通しなかったため『少年魔術師インディ』完成していたのか、未完成のままデータ破棄されたのかはわかっていなかったが、今回の出品騒動により少なくとも、試作ROMまでは作られていたことがわかりファンを騒然とさせた。
落札された150万円という金額は当時、インターネットオークションで出品された未発売ソフトのなかでも最高額だった。
なお、ほかにも未発売となったファミコンゲームとして手塚治虫原作の漫画『ジャングル大帝』のファミコンソフト版(CMが放送されたものの発売中止)『FC坂本龍馬』(坂本龍馬を主人公としたテレビゲーム)などが著名である。
(文:江戸前ライダー ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)
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