ゲリー板橋でございます。さて、死神かどうかはわかりませんが、私の親族の話をします。
私には父の弟の叔父以外にもう一人、叔父がいました。とは言っても私が生まれ以前に亡くなっています。彼は三人兄弟の末子で、小学校の頃に病気で亡くなりました。
彼が闘病生活を送る、ある日、軍人さんが夜になると現れると言うのです。
その軍人は、立派なひげをたくわえ、軍服の胸には幾つもの勲章がつけられていて、彼が言うには、陸軍大将なのだそうです。
初めは、病気だから悪い夢でもみているのだろう、と家人は思ったそうですが、そのうち、陸軍大将は、叔父に、早くこちらに来なさい、と手招きをするようになったそうです。父や母である、祖父と祖母は、どうも様子がおかしい、と心配になりました。
祖父は戦前、戦時中は海軍の士官でしたし、一族からは軍人も輩出していますが、みんな海軍です。陸軍の軍人はいない、誰だろう?
祈祷師を呼ぶかどうか、考えていたある日、叔父は亡くなってしまったそうです。
私の父の話もしましょう。
私の父は20年前に、癌で亡くなりました。某医大で、治療、闘病生活を送っていました。
父は事業に失敗してからは、タクシードライバーとして生計をたて我々、家族を養ってきてくれましたが、闘病に入る前はタクシー会社の管理職についていました。
父の癌の状況は、癌の治療では名を馳せる、その医大の担当教授も匙を投げるほど、悪化していました。教授によりますと、父の癌は非常に珍しい癌の症例だという事でしたが、最後まで熱心に治療にあたってくれたものです。
父は幽霊の存在、心霊、超常現象は一切、信じませんでした。そんな父が夜に、自分の向かい側に数人の着物をきた男女が見舞いでもするかの如く、立っている、と言うのです。
母は投与されている薬の副作用の幻覚ではないのか、と言いました。
ある日、父は、お客さんから仕事の予約が入っている、と言いました。聞けば、この病院にいる女性のお客さんを、奈良県のI市までタクシーで乗せていなくてはならない、これは仕事だ、と言いました。
私は、今は病気を治す事に専念して、予約は他のドライバーさんに頼んだら?と言いました。父は、そうやな、わかった。と言いましたが数日後に亡くなりました。
そのお客さんや、見舞いの人々が死神なのかどうかはわかりません。死神のカテゴリーには入らなくとも、水先案内人だったのかもしれません。
それは陸軍大将にもいえます。これには、まだエピソードがあります。
母には姉がいました。実は、若い頃、父は母の姉と付き合っていたのです。ロカビリー全盛期の頃、週末のダンスパーティーに父と母の姉は通っていましたが、ある日、母の姉が、母をパーティーに連れてきたのです。父は母に一目惚れをしてしまい、あとはロマンスから骨肉の争いです。
母の姉がなくなるまで、骨肉の争いは続き、亡くなるまで和解はありませんでした。母と母の姉のエピソードもありますが、いつかまた話します。
父の闘病の末期、母の夢の中に母の姉が現れました。母の姉は暖かい笑顔で、あんたはよく頑張ったね。大変やったやろ?あとは私がやるから、あんたはゆっくりしたらええ、と母の姉が言うのだそうです。
不思議な夢を見たと母が私に話したのを覚えています。父が亡くなるのは数日後です。
見知らぬ乗客が母の姉なのかどうかはわかりません。死神の話ではなかったとは思いますが投稿しました。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 ゲリー板橋さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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