呪術

深夜に合わせ鏡をすることで…都市伝説「悪魔を捕まえる方法」

都市伝説として知られているものに、「悪魔を捕まえる方法」というものがある。

合わせ鏡は昔から縁起が悪いとか、鏡を通して異空間への通路が開くとされているが、海外では深夜12時の日付が変わる瞬間に合わせ鏡をするとその間を悪魔が通り抜けると言われている。その場に居合わせることができれば悪魔の姿を見ることもできるし、場合によっては捕まえることも可能だとされている。

捕まえるのに必要なのは、キリスト教の聖書。聖句の書かれた聖書を開いて待ち構え、悪魔が鏡と鏡の間を通り過ぎた瞬間にパタンと閉じれば、悪魔は神の力に勝つことが出来ないため、捕まえることが出来てしまうのだという。

捕まえた悪魔はその人に服従するため、思うがままに使役することができる。願いを叶えたり、誰かを呪ったりすることも可能なのだとか…。




この「悪魔を捕まえる方法」はかなり広く知られた都市伝説であり、おまじない等のオカルトサイトでやり方を詳しく説明している所もある。また、捕まえた悪魔を使役する方法や悪魔に仕返しを食らわないようにする対策など、かなり詳細な説明が書き加えられている場合もある。

だが、この都市伝説は近代の創作だとみられている。始まりは小説家・星新一氏のショートショート「鏡」が元ネタで、作中で主人公がスペイン人の友人から母国の言い伝えとして聞いた方法を試した、とされている。言い伝えは本当なのではないかと思われがちだが、この部分も含めて全て創作だと考えられている。

また、この小説に書かれた方法が実際に捕まえられる方法だと広まった背景に、人気漫画「うる星やつら」で悪魔を捕まえる方法として紹介された点もあると考えられている。

大元の作品が執筆されたのは昭和30年代頃と見られており、実際に可能かもしれないと思わせるリアリティと長い年月が、いつしか「本当に悪魔を捕まえられる方法」として都市伝説へ変容していったものなのかもしれない。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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