江戸時代の絵師、鳥山石燕の「画図百鬼夜行」佐脇嵩之の「百怪図巻」などの多くの妖怪画集や妖怪絵巻に登場する妖怪。
燃え盛る火炎の中に、犬のように垂れた耳を持ち牙をむき出しにした怪鳥の姿があるというもの。鳳凰のように長く伸びた尾の先が身にまとう炎と同化しているように描かれている。
体色も作品によって変わっているが、赤ないしは白い怪鳥が真っ赤に燃える火をまとっている姿で描かれる事が多い。
背景との比較からさほど大きくない妖怪であろうと見られているが、百鬼夜行絵巻によっては妖怪達の行列のトリを飾り、ふらり火を目にした妖怪が逃げまどっている様子が描かれたりもしているので、強大な力を持っている妖怪なのかも知れない(見た目の派手さで最後に配置された、という見方もあるかも知れないが)。
ふらり火は昔からその名前と姿が伝わっているにも関わらず、独自の伝承を持たない謎に満ちた妖怪である。しかし、当時の絵師にとってはその独特のが意見から創作意欲をかき立てる妖怪だったのかも知れない。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
画像 ウィキペディアより引用