※本コラムはゲーム作品「妖怪ウォッチ1~3」をアカデミックに解析し元ネタの特定ほか妖怪伝承について解説していくコーナーです。
夜の学校で、三番目のトイレを3回ノックして「花子さん」と声をかけると「はーい」と返事がある……というものが、学校の怪談で有名な妖怪「花子さん」だ。見た目はだいたい小学校中学年程度でおかっぱ頭、ブラウスにサスペンダーのついた赤いスカートを履いた姿をしているとされている。妖怪ウォッチの花子さんも学校の怪談に出てくる姿をほぼ忠実に再現している。
大辞典では「学校に住みつき、いつも遊び相手を探している。そのくせ人見知りなので受け身の姿勢は崩さない」とあるが、確かに学校の怪談の花子さんも、呼び出さない限りは積極的に危害を加えてこようとはしない妖怪だった。だが、一度呼び出してしまうと様々な事が起きる。
花子さんから返事があった後に、「何して遊ぶ?」と聞かれるので、「おままごと」等の無難な遊びを答えると出てきてくれるが、「鬼ごっこ」と答えると一晩中追いかけられ、捕まったら殺されてしまうったり、「かくれんぼ」と答えるとトイレに閉じ込められてしまう等、やはり子どもの姿をしていてもそこは妖怪。受け答え一つ一つを注意しなければならない程には危険な存在なのだろう。
花子さんは普通の小学生だったが、変質者に追われて学校のトイレに逃げようとしたものの、三番目の個室で殺されてしまい、以降妖怪として学校のトイレに出るようになったという話がある。花子さんが妖怪になった理由には諸説あり、学校によっては「裏山に花子さんのお墓がある」という噂もあったようだ。
(黒松三太夫 ミステリーニュースステーションATLAS編集部 寄稿・ミステリーニュースステーションATLAS)