インターネットで広がった妖怪である。
あるキャンプ場に伝わっている妖怪だと言われている。このキャンプ場がある集落ではかつてわらじで歩いていると、突然けつまずくことがあった。
驚いてわらじを見てみると大きな釘で地面に打ち込まれている。
人々はこれを妖怪「つちおばけ」と呼んだという。
ここ数十年はわらじを履く人間がいないので、この妖怪「つちおばけ」は出没していない。代わりにキャンプ場でテントを張っていると、テントを張る時に打ち込むペグが地面深く突き刺さっていることがある。
これは妖怪「つちおばけ」の仕業だと言われている。
以下は山口敏太郎の見解である。
交通遮断系の妖怪としては、足にまとわりつく妖怪「すねこすり」や妖怪「足まがり」、見えない壁を作って妨害する妖怪「ぬりかべ」、蚊帳を吊って妨害する妖怪「蚊帳つり狸」などが挙げられる。
この手の妖怪は、人間の前方に障害物を作るとか、足に絡みつくなそして妨害することが多いが、草鞋に釘を打ちつける妖怪は珍しい。
キャンプ場に出る妖怪としては、アトラスでも妖怪「コダマさん」を紹介している。わらじをテントにマイナーチェンジして生き残っているところが興味深い。
かつては夜中に「ショキショキ」という音が聞こえることを妖怪「小豆洗い」と呼んだが、小豆を洗うことが一般的でなくなった現代では「ショキショキ」と言う音を立てる妖怪を「穴掘り男」と呼んでいるそうだ。妖怪も現代風にアレンジしていく時代になったのだ。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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