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リビアの砂漠に散らばる「リビアングラス」は隕石の影響で生まれた?!

リビアングラスは、エジプト西部とリビア東部を結ぶ南北に650キロメートル、東西に300キロメートルもの規模を誇る「グレート・サンド・シー」の特定の地点で発見することのできるガラス片である。

1930年代に科学論文で初めて記載されて以降、「リビア砂漠のガラス」として広く知られるようになり、その希少性や神秘性などから鉱物のコレクターにより高く評価されているという。

リビアンガラスは、およそ2900万年前に形成されたと推測されている天然ガラスであり、エジプトのファラオやツタンカーメンの墓で発見されたペンダントにも、このリビアングラスが使用されていることが判明しており、非常に古くから存在は知られていたようである。

天然ガラスは世界各地で発見されているものの、リビアングラスのように酸化ケイ素によって構成される物質の「シリカ」が豊富に含まれている例は他にないという。

このリビアングラスが研究者の間でも注目されている最大の理由は、その形成経緯が謎に包まれていたことだ。これまで多くの説が唱えられ、落雷などの自然現象による産物ではないか、または熱水プロレスなどの地質的な運動によって形成されたものではないか、といったものが上げられていた。

近年最も有力な説と見なされているのは、はるか昔に飛来した隕石の影響によって形成されたものではないかとする説だ。これには、空中で隕石の大規模爆発が起こったとするものと、隕石が衝突したことで形成されたとするものの、大きく2タイプの説があるようだ。

地球外よりもたらされたものではないかとする根拠の一つとされているのは、その原料だ。石英の粒で構成され、粘土鉱物と酸化鉄、そしてチランなどが混合しているリビアングラスの原料は、ガラスが生成されたとされる2900万年前ではこの地に存在しなかったものであるというのである。

また、含まれている酸化ジルコニウムなどの鉱物は、2500度前後の高温でしか形成されないという研究結果などにより、強い圧力と高温によってリビアングラスが出来上がったとみることができる。なお、このような条件が満たされる例は、隕石の衝突以外では原子爆弾の爆発くらいであるという。モヘンジョダロの「ガラスの町」が古代核戦争の産物であるとする話(都市伝説)は有名である。

チェコ周辺で発見された緑色の天然ガラス「モルダバイト」は、小惑星の衝突によって形成されたと言われており、1500万年ほど前に生成されたものであると言われている。そのように考えると、リビアングラスはそんなモルダバイトよりも期限が古いことがわかる。

ただ、隕石の衝突であるとすれば、クレーターが近隣で発見されても良いはずだが、そのような地形はまるで確認できていない。また、仮に隕石の衝突によって形成されたとしても、特定の地点でしか見つけられないということは不自然である。

現在では、パワーストーンの一つとしても知られているリビアングラス。その生成過程が不明という神秘性が、そうした価値を一層高めているのかもしれない。

【参考記事・文献】
リビアングラスの誕生は未だ謎!?
https://powerstone-dic.jp/stone_117/
砂漠で“黄色の宝石”が…?宇宙との繋がりが疑われる神秘の物質を4章で解説
https://yoso-walk.net/libyan-desert-glass/
リビアングラス
https://okaruto.ldblog.jp/archives/1022703489.html

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【文 ZENMAI】

画像 ウィキペディアより引用