江戸時代の文献、「怪談老の杖」に記載されているもので、麻布に住む武士の家で起こった怪異である。
この武士の家には夜になると奇妙な現象が起きることで知られていた。例えば寝ていると急に天井をどしどしと大きく踏みならすような音が聞こえ、次に小豆のようなものをパラパラとまくような音がする。
この音は、初めは量も少なく音も小さいのだが、次第に大きくなり最終的には一斗(約18リットル)もの大量の小豆をばらまいているような轟音になるという。
他にも庭先で飛び石を下駄で飛んで渡るような音を立てたり、手水鉢から水をちゃっと撒くような音もさせるという。
基本は音を立てるだけで害はないが、時折天井から紙屑や土などを落とすこともあるとされている。また、どのような姿をしているかも判明していないため、現代で言うところのポルターガイスト現象(怪音をたてたり物を動かしたりする、騒霊)ではないかとする説もある。
(山口敏太郎/田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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