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インドネシアにある「グヌン・パダン」は世界最古のピラミッドか?!

グヌン・パダンは、インドネシア西ジャワ州の標高895メートルのパダン山山頂にある遺跡である。東南アジア最大の巨石建造物であり、全長120メートルに及ぶピラミッド型をしており、いつ、どのように作られたのかについては現在でもまだわかっていない。

文献の記録からすると1891年には報告がなされているもののその後しばらく忘れさられ、1979年に地元住民によって再発見されたことで調査が開始されることとなった。それによれば、建造年代は少なくとも1万6000年前、最大で2万7000年前であると推定され、エジプトのピラミッドどころか世界最古の巨石遺構とされるトルコの「ギョベクリ・テペ」よりも遥かに古いとされた。

分析の結果、このピラミッド形状は溶岩でできた自然の丘を彫り進めて作られており、また一度で一気に作り上げられたものではなく、異なる4段階を数千年かけてリレー方式で建設されていったことが考えられたという。それらの各ユニットには、巨石を使った柱や壁が並んでおり、通路もあり、大きな空洞や部屋のようなものが確認できたのだという。中には、彫刻の加工が施されていたことも特定された。

だが、そのような高度技術を持っていたと推測されるにもかかわらず、他の目に見える証拠はほぼ見られておらず、またピラミッドの周辺地域に集落や社会が組織されたという記録が現在もなお認められていないのだという。一説によると、「グヌン・パダン」とは現地の言葉で「悟りの山」を意味していることから、歴史的に何らかの宗教儀式の場として使用されていた重要な場所だったのではないかとも言われているが、狩猟採集文化とは相容れないような石工技術を持っていたという事実は、この遺跡が多くの謎に満ちていることの証左となっている。

なお、この建造物の全てが人工的に手を加えられたかについてもまだはっきりとしていない。少なくとも現在有力とされているのは、この場所を神聖な場所として惹きつけられた古代の人々が、幾度となく住みつきそのたびにピラミッドが改造されていったのではないかということだ。

インドネシアの地球物理学者ダニー・ヒルマンにより、「グヌン・パダンこそが世界最古のピラミッドである」ことが主張されたこの遺跡であるが、この発表は世界中の研究者より真っ向から否定されており現在もその意向が強いという。建造者、その意図などなど、今なお謎めいたこのグヌン・パダン遺跡に、今後も注目していきたい。

【参考記事・文献】
2万7000年前のピラミッドを考古学者が発見⁉
https://www.esquire.com/jp/news/a46111497/controversial-underground-pyramid-in-indonesia/
2万7000年前の巨大建築!?世界最古のピラミッド「グヌン・パダン遺跡」
https://nazology.net/archives/138026
インドネシアの遺跡が世界最古のピラミッドである可能性
https://karapaia.com/archives/52327102.html

【文 黒蠍けいすけ】

画像 ウィキペディアより引用