スピリチュアル

「初めて金縛りを体験した日」

今日は私の数ある体験の中で一番リアルで人生で生まれて初めて金縛りになった時の話を聞いてください。

金縛り・・・ってよく聞くけど、私の最初の金縛り体験はちょっと人とは違うものでした。当時高校に上がる春休みの最中でした(15歳)。

自分の部屋の布団で寝ていて、しかも、夢見てたんです。そこを誰かに後頭部をトントンと何度か叩かれて「良いとこだったのに何で起こすの??」と薄目を開いた時に部屋は真っ暗。しかしながら、何かしら張り詰めたような異様な気配に頭の中で「これはお母さん達じゃない。電気も付けずに起こすなんてあり得ない」・・・そう思ってギュッと目を瞑り直した瞬間、視界とは逆の床の間から足でもバタバタさせてるかのような大きな音を鳴らしてきました。

いかにも起きろ!と言わんばかりに。その事を瞬時に気付いて心の中で「絶対見ない、絶対見ない!!動いたら起きたのがバレる!!」そう判断し、更にいや、これって金縛り?動こうと思ったら動ける??と思った私は寝返りをうつ振りをして、肩をよじってみようとしました。

が、やはり、ガッツリ空気の圧力に抑え込まれてるように動けませんでした。

でも、普段からオカルト好きな私はどこかで見聞きした霊的な金縛りは足の親指が動くが、ただの筋肉の硬直ならば指も動かないというのを確かめる為、側にいる何者かに気付かれないように布団の下の足の親指を動かしてみましたら動いたのです。

それで、霊だと確信した私は更に寝た振りを続けてやり過ごそうと思ったのです。すると、床の間の板を鳴らし続けるそれは、私が起きない事に怒ったように更にバンバン音を鳴らし、その後諦めて出ていくか…と目を瞑ったまま恐怖してると、今度は衣擦れの音がしてきました。

よく、聞いていると布団の周りをゆっくりゆっくりと歩いているようなのです。机や本棚の間に敷いてある布団なのにそれらを無視したような周り方。1周したと思ったら、私の背中側で座り込んでんでいる様子、私をジーッとみてる様子が、目を瞑っているのにどことなく分かるのです。

そして、その人が女性だということ、白装束だと言うことがなぜかはっきりわかるのてすが、顔は髪の毛の影で全く見えない。また、暫くすると、周りを歩いてジーッと見る。これを繰り返す。

心の中で「早く帰って!お願い帰って!!」とお願いしつつ、更に起きてることを悟られてはいけないとジーッと耐えるばかりの私。どれくらい時間が経ったか分かりませんが、私には体感的に1時間位経っただろうという時に、音がしなくなったので「やった!帰った!」と少し動こうとした瞬間、ふっと、また気配を感じ、「え!?まだいるぢゃん!!」と思い、今度は普段父が仏壇に読み上げているお経を心の中で唱えてみたのですが、何の効果もなく、「あ、お経が効かない!!」と感じ、次に思いきってお母さんを呼んで見ることにしました。

「お・・・か、あ・・・さ・・・ん・・・」口は動いているのですが、声は空声で喉も動いてる感覚があるのに音が出ないといった感じ。その私のあがきを見ていたのか、それから数分後にまたそれの気配が動き出しました。

その間、側にいるのは分かるけど、何をしてるのか全く分からない位動きがありませんでした。ずっと、心の中で「早く帰って!早く朝になって!」とひたすら念じ続ける私を布団の上からフワッと触り、半分出てた肩口に布団をそおっと掛けてくれ最後は両手で布団の上から肩をポンポンと叩き、私の耳元に冷たい息をフゥーっとかけたのです。

その瞬間、ゾワッとし肩をすぼめた時に金縛りが、解けたことを察しました。

でも、まだそこにいます。「やっと帰ってくれるんだ・・・」と思ったのてすが、まだそこに立っているのがわかります。

「早くかえってよー、早く帰ってよ」とまだまだ目を開けれない私に、それは、ホントに少しずつ少しずつ出口に向かい、引戸だったのですが、スッっと開けたかと思うといつまでも名残惜しそうにまた、ゆっくりゆっくり時間をかけながら、一寸ずつ戸を閉めていくのです。

その間の私は「お願いだから、もう来ないで。帰って。早く閉めて!」とひたすら念じるばかりで。やっと、きっちり閉めてくれたなと感じるまで数十分、最初に起こされた時からすると、トータル2時間程の体感でした。でも、あくまでも体感なので実際には数十分なのかも知れません。

霊の気配が消えた後は時間を確認することもせず、先程までの緊張感からの解放で再び眠りについたのです。 

ただ、翌朝起きてから、真下は母達の寝室だったので昨日大きな音聞こえなかった?こんなことあったんだけど、と話しても相手にされずでした。

ただ、当時の私は霊の顔を見てしまうと一生トラウマになると思い絶対見るもんか!と頑張っていたのですが、後から思うとあそこまでハッキリ起こしてあんなに名残惜しそうに帰ったということは私に何か言いたい事があったのか、聞いてあげれば良かったかなと思ったのですが、以後それが現れることは二度とありませんでした。

布団から出てた肩に布団をかけ直してくれたりした所や、最初の起こし方や音は激しかったのに重く乗ってこられたり危害を加えられなかった事を思うと私にご縁のある方だったのか、若かったのか年とっていたのかも今となっては何も分かりませんが、振り替えるとその方に申し訳なく、勇気がなかった当時の自分を悔いるばかりです。

両親や知人に話したら「夢だよ」って言われてきたのですが、いやいや、その前に私は夢見てる処を物理的に起こされたので、夢ではなかったと確信しています。

ここまで長い時間恐怖感を味わったのは後にも先にもこれだけです。30年以上昔のことなのにいまだに昨日の事のように覚えています。

その後わりと多くの体験をしてきましたが、私は視力が悪く、その代わりに鼻と耳が良いので、気配や音を感じたり、視界の端で何かがちらつく感じはありますがハッキリそのものを見たことはありません。なので、気のせいと自分に言い聞かせて日々生活しています。

後日談として、産みの母と会うことがあり、その母の母であるおばあちゃんがその頃亡くなってたと聞きましたので、もしや、最後に会いに来てくれてたのではと思いますが、結局真相は分からずじまいです。

長々とこんな拙い文で話を書いてしまいましたが、こんな風に何かしら切ない不思議もあるんだとお話の一つとして知っていただけたら有難いです。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 春待草さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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