奈良ドリームランドは、奈良県奈良市内にかつて存在していた遊園地である。1961年7月1日に開業して以降、70年代には150万人以上もの客入りを記録し、県を代表する遊園地となったほど盛況となった。その後、徐々に業績の低迷が続き、2006年8月31日をもって閉園した。
ホテルやアトラクションがそのまま放置された廃墟となったことから、廃墟マニアの絶好のスポットともなり、また侵入する者も多くそこかしこに落書きが散見される状態となっていた。しかし、2016年10月からは解体作業が始まって以来跡地が立ち入り禁止となっており、今後はアウトレットなどの商業施設の再開発が見込まれているという話もあるようだ。
この奈良ドリームランドが、最盛期の人気と同様に広く知られるようになった要因は、「ディズニーランド」に似ていたと言われている点に尽きるだろう。
東京ディズニーランドは、米国以外で建設された初のディズニーランドとして1983年にオープンしているが、開園時期としてはドリームランドのほうがはるかに早い。実際、ドリームランドはディズニーランドを意識して作られた経緯があると言われており、一部では「西のディズニー」とも呼ばれていたという。
実際に、ディズニーランドとはどのような関係があったのかについては、ハッキリとしたことはわかっていない。それでも、過去の多くの関係者による文献や報告から共通する部分がいくつか見受けられる。
曰く、少なくともディズニーが開発に全面的な協力をしたわけではない、にも関わらず開園時には「ディズニーランドの日本版」との表現を用いていたことがあった。
完成した園内は、ディズニーランドの園内構成を思わせるものであるもののその世界観はかけ離れていたが、その反面アトラクションなどについては木製コースター「ASKA」など当時の日本において画期的な設備が多く存在しており、遊具についても頑丈で高い品質を誇っていたと言われている。
このためか、バブル以後営業日や施設・売店の規模縮小が図られたとはいえ営業日にガラガラであったということはなく、それなりの客入りはあったという。
東京ディズニーランド以前に登場し、ディズニーの公認を受けることのなかった遊園地として、それでもおよそ40年という長きに渡り親しまれてきたというのは、なんとも感慨深いものがある。
【参考記事・文献】
かつて存在した「奈良ドリームランド」とは(ディズニー?跡地利用は?)
https://narakanko-enjoy.com/?p=32207
廃墟と化した遊園地「奈良ドリームランド」に侵入していく映像
https://spaicy.jp/nara-dreamland
奈良ドリームランドの現在に迫る!西の夢の国はどうなったの?
https://jouer-style.jp/2173
【文 ナオキ・コムロ】
画像 ウィキペディアより引用