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【昭和の珍事件】炎を噴き上げ爆走した電車!その原因は・・・

※下記は2019年4月の記事の再掲載です。

1982年(昭和57年)1月5日の朝日新聞の夕刊に「東海道線を火の車走る」という内容の記事が掲載されている。

これは見出しのとおり、JR(当時:国鉄)東海道線の車両が燃え、そのまま走り続けたという珍事件だ。

火災が発生したのは1月4日の午後10時頃。東海道本線の富士川駅から富士駅のひと駅区間で、この路線を走っていた20両の貨物列車の後部車両が突然燃えはじめた。

パニックになった車長はすぐに本部に連絡し、車両の運行を止め、富士駅で緊急停車。富士駅で消防車7台が消化にあたり、火災は車掌室の天井を少しだけ焼いただけにとどまった。また貨物列車であっため乗客ほか乗員に怪我人はおらず、また貨物にも異常は見られなかった。




さて、この火事の原因であるが、鉄道管理局の調べによると、火元は車掌が車両に持ち込んだ暖房用の石油ストーブであったという。

当時、貨物車両の車掌室は電気暖房が装備されておらず、冬場はとても寒くなってしまう。そのため、車掌の多くは石油ストーブを持ち込んで暖を取る人が多かったという。

そして、何かのハプニングがあり、石油ストーブの炎が車掌室に燃え移り、「火の車」が誕生してしまったというわけだ。

近年では電気暖房が一般化しているため、鉄道による火災事故はあまり報告されていないが、石油ストーブがメインの暖房機器だった昭和時代にはこの手の火災事故は決して珍しいことではなかったようだ。

(文:穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

RalphによるPixabayからの画像