タイの人里離れた場所でキノコ採りをしていた村人たちが不思議な彫刻を偶然発見。歴史的価値の高いものではないかと注目を集めている。
地元メディアの報道によると、ブリラム県にあるドンヤイ野生生物保護区にキノコ採りに行ったプラムル・コンクラトック氏らが岩肌に奇妙な彫刻があるのを発見。
それは女性が腕を頭上に伸ばしている姿を浮き彫りにしたもので、この写真がSNSに投稿されるとタイ国内で一気に話題になった。
タイ王立森林局はこの不思議な彫刻を調査するために現地に専門家を派遣。彫刻を調べた考古学者のチェダ・ティンガンチャリ氏は「 眉毛、唇、その他の特徴」の描写が、ドヴァラヴァティと呼ばれる6世紀から11世紀にかけての芸術作品とは異なっていることから、「この彫刻は古代インド芸術等を見て、技法を模倣した人物によって彫られたものである」 との説を上げている。
とはいえ、この作品はそれ以外にも謎が多い。古い年代のものではないにも関わらず、なぜ人里離れたジャングルにあったのかも謎のままである。そこで、この地域の村人たちは、数十年前にこの地域に住んでいた僧侶が彫刻の作者だったのではないかと推測しているようだ。
また彫刻の女性が誰なのかについても、仏陀の母シリマハマヤであるという説が有力となっている。
まだまだ謎の多い彫刻だが、タイの専門家たちはこの作品をさらに研究する予定とのこと。そして歴史的価値があるとすればどのようなものかを見極めたいと考えているようだ。
画像 กรมอุทยานแห่งชาติ สัตว์ป่า และพันธุ์พืช / Facebook