事件

【昭和の珍事件】謎の火災の原因はまさかの「雀」!?大手新聞紙上で大胆仮説

※下記は2019年1月の記事を再掲載しています。

日本のおとぎ話のひとつ「舌切り雀」。ご存知、心優しいお爺さんが助けた雀から恩返しされるというお話だが、この話が示す通り、雀は人間から受けた恩は忘れない動物であるとされている。

その一方「舌切り雀」でも描かれている通り、雀は自分が受けた恨み辛みも決して忘れない動物でもあるという……

その雀が人間に報復した……という「怪談話」が1933年(昭和8年)4月19日の読売新聞に掲載されている。

1933年3月30日、神奈川県横浜市のとある民家で火災が発生した。

火はすぐに消し止められ、幸いにも怪我人や死者は出なかったが火元がどこだったのかは不明であった。当初は放火魔の仕業が疑われたが、捜査の際、奇妙なことが判明した。

火元は火災のあった家の天井からで、とても人間が登れるような高さではなかった。そのためか、読売新聞には、仮説として「雀が火をつけた」との大胆な珍説が登場していた。




記事によると、この家には、3月くらいから親雀数匹がせっせと作っていたのだが、この家に住むワンパク少年がイタズラで竹槍で雀の巣を破壊し、叩き出してしまった。

住む家を失った雀はワンパク少年への怒りから、自然発火が発生しやすい場所に巣を作り、ついには家を燃やしてしまったのではないかというのだ。

むろん、常識で考えて雀が人間に対する恨みで火をつけるということは有り得ないとは思うのだが、読売新聞には有力な仮説として登場しているのが興味深い。

空気が乾燥し火事も多いこの季節。原因不明の火災はもしかしたら雀の仕業……なのかもしれない。

(文:穂積昭雪 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Takashi YanagisawaによるPixabayからの画像