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キツネが取り憑いたと信じ込ませる…第二次大戦中に米国が計画したトンデモ作戦

CIAの前身である戦略事務局(OSS)は、第二次世界大戦中に米国を有利にするため、奇妙な計画をいくつも考案していた。

そのうちの一つ、「ファンタジア作戦」として知られるものは、日本人の稲荷信仰を利用してキツネに取り憑かれていると信じ込ませようとしたものがあったという。

実業家エド・サリンジャーは、この企画を成功させる方法を見つけ、大きなキツネ型の気球を戦場に浮かべたり、ある時間と場所でキツネを呼ぶ笛を使用したりするなど、いくつかのアイデアが実際に検討された。

だが、最終的にこれらの案はボツとなった。その結果として、なんと実際に生きたキツネを夜光塗料で覆い、不気味で超自然的な輝きをしているかのように見せつけるため野に放つという案が支持された。




この計画を試すために、サリンジャーのチームはワシントンD.C.のロック・クリーク・パークでいわゆる”夜光キツネ”を何匹も放し、実際に市民の反応を確かめた。当時の国立公園警察によれば、「突然幽霊のように飛び跳ねる動物たちの姿に驚いた市民たちが、公園からこぞって逃げて行った」と報告している。

この成功を受けて、次なる課題はキツネを日本に連れてくる方法を見出すことであった。

チームはまず、キツネを海に放ち岸まで泳がせようとしたが、これではペンキが大量に流されてしまい、実験の意味がなくなってしまう。その後も解決策が見つからず、サリンジャーは風船を使うという廃案にしたアイデアへ立ち戻り、しかも「頭に人間の頭蓋骨を取り付けたキツネの剥製」のような形をした浮遊装置まで開発した。

しかし、結局このプロジェクトは敵に使用される前にすべて破棄されたという。まるで冗談のような話であるが、当時の米軍では日本人の士気を下げる目的で富士山を赤い塗料で塗りつぶすという計画もあり、こちらも塗料の運搬費があまりにも莫大になるとの理由から頓挫している。

【文 ZENMAI】

Jack BulmerによるPixabayからの画像

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