バランスの良い食事は、1日を乗り切るために必要なエネルギーを摂取するために不可欠である。そのため、ある女性が16年間何も食べていない上、水も飲んでいないと主張した時、医療専門家たちが困惑したのも当然の成り行きだ。
ムルワーク・アンバウという名の女性が最後に食べた食事は10歳の頃、レンズ豆のシチューだったという。現在26歳の彼女は、それ以来何も食べたり飲んだりしていないと主張しているのである。
エチオピアのジンマに住む一児の母である彼女は、家族のために料理をすることが好きである一方、自分自身は空腹にならないという。これまで彼女はインド、カタール、ドバイで多くの医師によって検査されたが、誰もこの奇妙な現象を説明できない。
ギネス世界記録保持者であり、イギリスを拠点とするYouTuberのドリュー・ビンスキーは、彼女が16年間の断食の後も生き残っている理由を理解できるかどうか確かめるために、ムルワークを訪ねることにした。
彼女は次のように語った。
「子供の頃に朝食を食べて学校に行くよう言われた際、私は食べたと言って実際には食べたふりをしていました。水も何も摂取できなくなったのです」
今では、彼女は訪問者に新鮮な料理を作れるよう、野菜を育てている庭で時間を過ごすのを趣味としている。彼女は「好きなだけ料理をしていますが、私には食欲がないんです」と付け加えた。
16年間断食をしているため、その間トイレにも行ったことがないという。また、彼女が妊娠した際には体の自然なエネルギーを補うためにブドウ糖の点滴を受け、さらに母乳が出なかったため「人工乳を飲ませていました」と説明した。
彼女が、これまでいくつかの医学的検査を受けたものの何の問題も見つからなかったと説明すると、ドリューと彼のチームはさらに調査し、彼女の話を確認した。エチオピアの首都アディスアベバの医師による検査を含む3年間の検査の結果、彼女は完全な健康状態であると判断された。
また、彼女の消化管には食物、水、老廃物はなく、まさしく「排尿や排便」すらも無いことが示唆された。
ドバイとカタールでは、彼女の精神状態をチェックするための検査も行われたが、やはり特筆すべき点は見つからなかった。医療専門家はあえて口には出さないが、ムルワークのこうした異常な状態は「神の仕業」ではないかとも考えている。彼女は今も断食を続けており、また二度と食べることはないだろうとも言っている。
彼女を信じず、詐欺師だと思っている人たちも当然いるだろうが、是非とも、その目で実際に彼女を訪ねてみることをおすすめする。
イギリスの国民健康サービス「NHS」によると、女性は1日約2000カロリー、男性は約2500カロリーを摂取すべきであるという。しかし、正確な数値はあなたがどれだけ活動的であるかなど状況によって異なってくる。食品の推奨比率を記した「イートウェル・ガイド」では、1日にコップ6~8杯の水分を摂取することを目標にするよう推奨している。
医療情報を提供しているアメリカのウェブサイト「ヘルスライン」は、食物や水なしで体が生存できる最大期間は1週間であると警告している。無暗に彼女の真似をしようとは考えないことが賢明だ。
Muluwork Ambaw (26), seorang perempuan asal Ethiopia, menarik perhatian internasional setelah ia mengklaim menghabiskan 16 tahun terakhir hidupnya tanpa mengonsumsi makanan atau minuman apa pun. Klaimnya yang luar biasa itu memantik intrik dan skeptisisme dalam komunitas medis… pic.twitter.com/Mepmq0UIDH
— Kompas.com (@kompascom) May 17, 2024
【文 黒蠍けいすけ】