イギリス各地で目撃されているUMAにエイリアン・ビッグ・キャット(ABC)と呼ばれるものがいる。
見た目は大きな黒豹に近い大型のネコ科の生物であるが、イギリスには大型のネコ科生物は生息していないため、正体について様々な議論が出てきていた。主流だったのはやはり「単なる見間違い説」だが、この度実在の可能性を高める新たな証拠が出てきたというのだ。
先日ウォーリック大学のロビン・アラビー教授が分析したABCの体毛のサンプルを分析したところ、少なくとも1頭の大型のネコ科生物が生息していることを裏付ける結果が出たという。
今回分析されたサンプルは昨年10月、羊を補食していたABCが逃げた後に羊の死骸から採取されたものである。目撃者の女性は「最初は牧羊犬だと思ったのですが、二度見して大きな黒猫だと気づきました。それ猫といってもジャーマン・シェパード・ドッグくらいの大きさがありました」と証言。
そして今回、DNA鑑定で羊を襲った犯人が間違いなくヒョウであることが判明した。
しかし前述の通りヒョウはイギリスには生息していない。そのためABCに関するもう一つの可能性、「飼育下にあった大型のネコ科生物が逃げだしたもの」という説が濃厚になったとも考えられる。しかしABCの目撃証言は数十年に渡って報告されているため、単なる脱走した野生動物だけでは説明がつかない。
そこで出てきたのが「脱走した大型ネコ科生物とヨーロッパヤマネコ等の交雑種がイギリス国内で繁殖している」という可能性だ。しかしこれも証拠が足りないため、あくまで仮説の域を出ていない。
そもそもサンプルを得られたこの一体についてはヒョウに近い生物であったと言えるが、英国全土で目撃されていABCが一体だけとは限らない。
果たしてABCの正体は何なのか。謎めいた大型ネコ科生物の真相が明らかになる日もそう遠くないのかもしれない。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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