今あなたの隣にいる、愛するペットだけでなく「亡くなったペットとの接触」もまた、セラピー効果をもたらすという新たな研究結果が注目を集めている。
メリーランド大学コンピューターサイエンス学部准教授のジェニファー・ゴルベック氏は、愛犬を亡くした飼い主から報告された超常的な遭遇の種類と、それらの体験が彼らにとってどのような意味を持つのかをテーマにした研究を行った。
調査方法はSNSを用い、ユーザーらに「愛犬を亡くしたことがある人に質問です。その犬の幽霊を見たり、サインを受け取ったり、コミュニケーションをとったりした経験はありますか?」と広く呼び掛けるというもの。単純な方法だが短期間でかなりの事例が集まり、なかなか興味深い結果が得られた。
「愛犬が亡くなった後に何らかの超常的な体験をした」と報告した人は多数いたのだが、亡くなった犬の吠える声や床を歩く音を聞いたという聴覚的な現象をした、という人は全体の37%に及んだ。
また、実際に愛犬を目撃した、愛犬の気配を感じた、あるいはベッドで愛犬が隣に寝ているように感じたという人もかなりいたという。また、夢の中で愛犬が訪ねてきた、あるいは家の中の物を動かした(ポルターガイスト現象を引き起こした)と信じている人もいた。
心理学的には、継続的な絆を持つ対象が外在的に現れる(例えば知り合いの幽霊を見る)と、人は否定的な感情を抱くとされている。例えばその幽霊が家族であったとしても、目撃した人は恐怖などの否定的な感情を抱くことが一般的だという。
しかし今回の調査では、全体的に見て回答者の大多数(76%)が愛犬の幽霊との出会いが安心感と安らぎをもたらした、と肯定的な報告をしている。
亡くなったペットに関連した心霊現象は、他のタイプの幽霊との出会いと比べても心理的な受け止め方に明確な違いが出るようだ。今後類似の調査が行われるならば、その結果にも期待していきたいところだ。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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