スピリチュアル

「 悪魔の話」

スイス在住のクリス(Kris)と申します。暑い中、どうもお疲れ様です。

先日メールした時に、まだ世界の国の妖怪や不思議話を募集という事で、調べてみました。キリスト教の国なのでこういった逸話には主に悪魔や龍が出てくる話が多いです。

100近くの話があるので、全部読んだ訳ではないのですが、3分の1程読んでみて、意外と間抜けな話が多々あったのに驚きました。

村人に袋叩きにされた話や、聖職者や村人にお金を用立てたり、傭兵の裁判の弁護をしたり、人の家の台所に勝手に入ってきたりと色々世間に馴染んでいる感じです。森の奥深くに住んで人を殺したりもしていますが、悪魔の怖い話よりも、教会の魔女裁判の話の方が怖いです。

とりあえず、日本人でも馴染みがありかもしれない所の悪魔に関する逸話を書きます。

2016年に、全長57、1kmの世界一長いゴッタルド鉄道トンネルが開通しました。世界の首脳等を招いて、大掛かりなセレモニーが開催されたのですが、その儀式がまるで支配層の悪魔崇拝儀式のようだとネットで言われていたのですが、このゴッタルド峠には悪魔が架けたという橋があります。

ゴッタルドとは人名から来ていますが、強き神という意味です。この険しい峠は、ウイリアム・テルで有名なウリ州と、イタリア語圏のティーチノ州を跨ぐ所にあります。

昔、そこを流れるロイス川の急流を渡ろうとして、何人もの人が崖から落ちて命を落としました。そのため、あるウリ州の農夫が、この川に橋を架けて欲しいと悪魔に願いました。すると、悪魔は現れ、農夫の願いを叶えますが、最初に橋を渡ったものの魂を生贄として捧げるよう、契約を交わしました。

橋はすぐに完成しましたが、農夫は人を生贄にするのに気が引けてしまい、代わりに雄の山羊を渡らせます。人の代わりに雄山羊を渡らせたことで、悪魔は怒り、大きな岩を投げつけて橋を壊そうとしますが、そこに何故かタイミングよく現れた敬虔なおばあさんが、慌てて岩に十字架を描いて、そのため悪魔が岩を掴めなくなり、橋を壊す事が出来なかったという言い伝えです。

この十字架を書いた岩は今でもあるそうです。

アルプスの山にはバフォメットに似た、角が太くて丸く反っている野生の山羊が生息しており、生贄にした山羊はこんなだったのかなと思いました。




次は数ある悪魔話で結末がちょっと意外だった「悪魔の義兄弟」という話です。

ある若い男の前に悪魔が現れ、十分なお金を援助するが、契約条件として、髪も爪も切らず、髭も剃らず、体も洗わずに7年間過ごす事を提案しました。

男は生活が苦しかったので悪魔と契約しました。

7年がもうすぐ過ぎようとしていた頃、男は3人の美しい若い娘たちと知り合いました。男は結婚したかったので3人姉妹に求婚しました。二人の娘はこんな汚らしい男とは結婚したくないと断りましたが、一人の娘は承諾しました。

結婚式の当日に求婚を断った二人の娘たちは行方不明に。男は身綺麗にすると、中々いい男になりました。式が終わり、夕方に見知らぬ男が訪ねて来て「僕の義理の兄弟よ。君は嫁は一人だけど、僕は二人も嫁持ってるよ」と言いました。

若い男は行方不明の嫁の姉妹の事だと思い、屋根裏部屋を探したら二人の娘の遺体がぶら下がっていました。

この話を読んでいて、悪魔の嫁になるという事は、死ぬ事なのかなと思いました。

小学校の時に読んだ少女漫画に「悪魔の花嫁(デイモスの花嫁)」というの作品がありましたが、悪魔が気に入った、美しい娘を花嫁にしようと黄泉の国へ連れて行こうとするのですが、モタモタしている間にまだ目的達成出来ず、完結していない話です。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 スイスのクリスさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Karen .tによるPixabayからの画像