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初対面で舌戦?!ダルビッシュ有と義兄「山本KID」の逸話

格闘家として知られ、「KID」または「神の子」というニックネームを持っていた山本”KID”徳郁。生粋のストライカーとして活躍し、打撃の威力は立ち技専門の選手を凌駕するほどであるとして評価が高く、また宮田和幸との試合では、ゴングが鳴った途端わずか4秒でKOしたというように多くの伝説も残した。

惜しくも2018年に胃がんであることを発表してから、わずか23日後に多臓器不全のため41歳という若さで亡くなっている。

その彼は、メジャーリーグで活躍するプロ野球選手ダルビッシュ有の義理の兄であった。2014年、ダルビッシュは山本の妹であるレスリング選手山本聖子との交際を発表し、翌2015年には男児が誕生、そのさらに翌年の2016年に婚姻届けを提出し、事実婚から正式な夫婦となった。

山本とダルビッシュのファーストコンタクトには、次のようなエピソードが語られている。

ダルビッシュによれば、「聖子と仲良くしてもらってること聞きました。あの子真面目なんで。手出すのやめてもらっていいかな?ごめんね。俺の家族なんで」ということを山本から言われたという

ダルビッシュは、知名度は当然ながらそのルックスからもファンは多く、また当時は女性プロゴルファー古閑美保や女優明日花キララなどとの関係が噂されていた。山本の発言は、ダルビッシュの女性関係に対する不信感から発せられたものであったのだろう。

だが、これに対してダルビッシュは怯むわけにはいかないと思い、「聖子さんとは仲良くさせてもらっています。今、すごく大事な人という位置づけであり、真面目に考えてます」と真剣な交際を訴えたという。

この言葉に山本は気を許したようで、その後両者は一気に打ち解けるようになったそうだ。




とはいえ、山本自身が以前から家族思いの強い人物であったかといえばそうではなかったようである。彼はかつてモデルのMALIAと結婚をしていたが、女癖が悪く妻子がいながらホステス通いを繰り返していたという理由から離婚をしている。

転機となったのは、その後一般女性と再婚したこと、そして2014年のUFC参加後に頸椎ヘルニアを患ったことにあったと言われる。握力も激減し、死んだほうがましとまで思いつめた彼を支え続けたのが奥さんであり、彼女の手厚い看病によって彼は「自分の命より大事」なものとして家族の価値観を一変させた。

ダルビッシュは忘れられない言葉として「普段あんま恥ずかしくて話せないけど。マジで大好きだよ。心から愛してるよ」という言葉を山本からもらい、ストレートな内容に恥ずかしさも感じつつ心からの発言に嬉しさがこみ上げたという。

「みんなに愛されて天国に先立ったKIDさんは本当に幸せだったんじゃないかな」と、ダルビッシュはブログに綴っている。

【参考記事・文献】
「家族として繋がられたことを誇りに」 ダルビッシュ有、義兄の山本“KID”徳郁を追悼 “初対峙”では舌戦も
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1809/19/news089.html
ダル「手出すの辞めて」義兄KID氏と最初の出会い
https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201809190000020.html
山本KIDが送った「ダルビッシュ君、手出すの辞めてもらっていいかな? ごめんね。俺の家族なんで」…球界を代表するエースの答えとは…
https://x.gd/m2qy5

【文 ZENMAI】

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