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世を賑わせたメディア乗っ取り劇、「フジテレビ買収」騒動

2005年から06年にかけて世間を大いに賑わせた事件と言えば、「ライブドア事件(ライブドア・ショック)」だろう。

インターネットサービスのパイオニア的存在であったライブドアにて、当時社長であった堀江貴文をはじめとして社員数名と公認会計士たちが証券取引法違反で逮捕され、有罪判決を受けたという事件だ。時代の寵児と持て囃された堀江を中心とした一連の出来事は、彼一人が終始無罪を主張する中で、キーマンと呼ばれた社員の変死などによって大きな騒動へも発展した。

このライブドア事件の、引き金にもなったと言われているのがフジテレビ買収であった。有名バラエティ番組を多く抱え大きな影響力を持っていたフジテレビであるが、ラジオがメディアの中心でテレビはあくまで後発というそれまでの力関係をそのまま引き継いでいた状態であったため、当時は「ニッポン放送が親会社、フジテレビが子会社」という関係にあった。

しかし、この力関係が敵対の買収者から狙われる隙を作ったとも言える。そしてそれは堀江による、フジテレビの買収という形で一躍騒動となっていった。彼は、ネットとテレビの融合を掲げ、フジテレビの筆頭株主であったニッポン放送の株式を大量に買い集め、35%にもなる取得によって最大株主に浮上した。

そして、その後40%をも超える買い増しを行なったことで、ついに報道機関が殺到する大騒動へ発展していったのだ。会見で彼が発言した「想定の範囲内」は象徴的なフレーズとして流行語にもなったほどである。

事態を重く見たフジサンケイグループは、様々な策で対抗した。ついには、ニッポン放送側によって自らが保有するフジテレビ株をSBI(ソフトバンク・インベストメント)に貸株として供与し、これによってライブドア側はフジテレビの経営に口を挟めることができなくなり、ニッポン放送を手に入れるだけの形となった。




結局、これによって買収劇は手詰まりとなり、両者和解という形で終了するに至った。

この出来事については、現在でも「もし堀江が買収に成功していたら」といったような“if”として議論されることがある。

ある説によると、フジテレビはこの買収騒動がきっかけで海外資本が流れ込んできたとも言われている。2011年、ある俳優によってフジテレビの番組編成が某国に傾斜しているというSNSでの発言を発端として、フジテレビ抗議デモが発生したが、このいわゆる某国贔屓はフジテレビ買収騒動によるところが大きいのではないかとも考えられている。

ここから、堀江が買収に成功していれば偏ることは無かったのではないかとも言われている。

その一方で、逆の意見も見受けられる。これはあくまで都市伝説であるが、フジテレビ買収は堀江本人の意思で行なわれたものではなく、テレビ局乗っ取りを狙った黒幕が存在しており、堀江はそれに操られていたのではないかというものだ。

ライブドア事件で変死したという元社員は、この存在と最も近い人物であったとされていたというのである。こちらの説であれば、当時すでにテレビ局の乗っ取りは図られていた段階であったとも言えなくはない。

【参考記事・文献】
コアマガジン『ニッポン犯罪タブー都市伝説』

フジテレビが徹底抗戦したあの買収劇から17年…「買収防衛策」を廃止する企業が増えているワケ
https://president.jp/articles/-/55942
フジテレビが韓国びいきなのはなぜ?
https://www.hachi8.me/fuji-television-korea-patronage/
ホリエモン堀江貴文の逮捕理由~ライブドア事件をわかりやすく説明【黒幕・真相は闇の中】
https://newsmatomedia.com/horie-livedoor-incident#i

(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 あまぞんび / photoAC