最近話題となる陰謀論の一つにケムトレイルというものがある。
一見空に出現する飛行機雲のようにしか見えないが、実は有害な化学物質を含んだ雲であり、大気を汚染するため吸い込むと身体に異常が出るという。普通の雲と違って長い間空に残り続けるという特徴で普通の雲と見分ける事が可能だとされている。
そんなケムトレイルが今、スペインで猛威を奮っているという。
先日、スペインのバレンシア自治区議会は「ケムトレイルを懸念する住民からの通報が殺到している」と取り上げた。 この奇妙な問題は検察のテレサ・ジスベール氏が明らかにしたもので、各種法律機関や当局に「自分の頭上で秘密の化学物質散布作戦が展開されている」と信じている人々からの通報や報告が増加しているという。
スペインでは度々陰謀論が爆発的に広がることがあり、現在はケムトレイル陰謀説が非常に人気があるようだ。
この問題は政府も懸念を示しており、過去には陰謀論をきっぱりと否定することを目的とした包括的な政府報告書が作成されたこともある。しかし残念なことに、この試みも陰謀論者を納得させることはほとんどできなかったようで、その後も陰謀論や都市伝説が度々スペイン国内を席巻することがあるのだとか。
ジスベール氏は事務所側は受け取った訴えや苦情はすべて調査する法的義務があると説明した上で、近年ではネットで簡単に相談や報告ができるようになったことも手伝って、このような相談の対応に職員が追われてしまっていると指摘。職員らは、ケムトレイルの事例を無数に送ってくる人々について、苛立ちを募らせているという。
しかし彼女は陰謀論に踊らされて通報をしてくる人々に対して怒りは見せていない。彼女自身も、「自分の裏庭の上空でケムトレイルが活動しているとSNSで頻繁に更新するようになってしまった”とても親切な “女性が地域社会にいる」ことを指摘。
「彼女らは不安で、苦しんでいるのでしょう。誰も毒を盛ったり、有毒ガスを撒き散らしたりしているわけではありません」と彼女は議会で断言し、安心させるために語りかけた。しかし今まさに陰謀論を信じている人々には、彼女が隠蔽工作の一端を担っている存在のように見えてしまったのではないだろうか、とする意見もある。
スペインで加熱するケムトレイル騒動はどこまで拡がるのだろうか。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Photo credit: david_drei on Visualhunt
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