アメリカはアリゾナ州ツーソンの丘に、なんと31世紀まで設置され継続的に風景を記録し続けるカメラが設置された。
ミレニアム・カメラと名付けられたこの野心的なプロジェクトは、アリゾナ大学の実験哲学者ジョナサン・キーツ氏の発案によるもの。
銅製の円筒を取り付けたシンプルなスチール製のポールからなるこのカメラは、まず小さな穴から24金のシートに光を入射させ、次に油絵具の顔料の一種であるローズ・マダーで処理した特殊な表面に光を入射させることで機能する。
そして何十、何百年と変化する風景のイメージご累積して記録されることで、徐々に一枚の画像が構築されていく仕組みになっている。
「たいていの人は、この先の未来に何が待っているのか、かなり暗い見通しを持っています。1,000年後の人々が、ツーソンの現在よりもはるかに悪化した姿を見る可能性があることは容易に想像できるでしょう。戦争、災害、気候変動………でも、変わらないものもあるかもしれません」
もちろん、このカメラがこの先1000年もの間、壊されたりすることなく残るという保証はない。もし遠い未来に誰かが出来上がった画像を見たなら、丘のように長年変わらないであろう風景の要素はより際立って見えるだろうし、建物のような壊れてしまうものは色あせて見えるかもしれない。
「ミレニアム・カメラは、私たちに質問を投げかけ、私たちの心の中にある未来の世代の視点を呼び込むために設置されているのです」とキーツは語っている。
A philosopher at @uarizona has created The Millennium Camera to document Tucson's progression over 1,000 years. Using a sun-faded pigment, The camera will record changes gradually to offer insights into urban development and natural dynamics.
Learn more: https://t.co/6rZtkNSyrJ
— AAU (@AAUniversities) January 30, 2024
画像 Chris Richards / University of Arizona
