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“見ると幸せになる”と注目、でも…アマゾン川の「ピンクイルカ」の現状

水中に棲む哺乳類で、水族館でも人気が高い生き物といえば「イルカ」であろう。知能の高い動物としても知られており、かつてアメリカやロシアでは軍事利用としてイルカ部隊が飼育されていたこともある。そんなイルカには、かつては都市伝説とさえ言われていた非常に珍しい種が存在している。

3500万年まえに生きていた原始的なクジラと同様の特徴を備えているカワイルカは”生きた化石”とも言われている。そのカワイルカの中でも最大種である「アマゾンカワイルカ」は、南米アマゾン川に棲息している淡水のイルカである。

オスは体重185kg、体長2.5mにまで成長するというアマゾンカワイルカの最大の特徴は、ピンク色の体色になることだ。生まれたばかりの幼体はグレーの体色であるが、成長するにつれて変色していき、オスのほうが特にピンク色が際立つ。

ただし、アマゾンカワイルカ全てがピンク色になるわけではない。

このピンクイルカについてはいくつかの伝説や噂が存在している。現地では、夜に魅力的な男性に変身して女性に近づき、朝になると姿を戻して帰っていくというアマゾンカワイルカの伝説が残っているという。現地では、ピンクイルカはあまり良い印象を持たれていない人も多いそうだ。




その反面、その珍しさからか「見ると幸せになる」といった噂もあり、「1日に3回見かけると幸せになる」「スマートフォンの待ち受けにすると願いが叶う」といった都市伝説が、主として日本で囁かれている。

その一方で、このピンクイルカは非常に気性が荒く狂暴であると言われている。そもそも、体色がピンク色は、仲間同士との争いによって皮膚表面が摩耗されたためについた、要するに傷跡であると言われている。また、海のイルカと違って口が細長く尖っており、目が退化して小さく、首があるといった容姿から、実際に見た人々からは不気味で怖いという感想も聞かれる。ただ、人間に対しては友好的であるという。

こうした、幸せの象徴などとして見出されているピンクイルカであるが、実のところ絶滅が危ぶまれている動物でもある。2023年には、旱魃(かんばつ)の影響によってアマゾン川の水位が下がったことで、120頭ものアマゾンカワイルカが死んでしまったというニュースもあった。

珍しいからという理由で幸せの象徴として持ち上げるより前に、かけがえのない生態系の一員として保護の面からも注目されて欲しいものである。因みに、日本ではたった一例だけ千葉県の「鴨川シーワールド」で飼育されていた記録があり、現在国内で飼育されている施設はない。

【参考記事・文献】
アマゾン川でイルカが大量死、干ばつと高温が原因との見方
https://jp.reuters.com/life/5MDKDHAO4JKVVDVLUWFMNZUG5U-2023-10-03/
ピンクイルカはどこで会える?幸運を呼ぶピンクイルカを見に行こう
https://tabigo-media.net/pink-dolphin/
1日に3回見ると幸福になる!人々を魅了するピンクイルカと泳いでみた
https://tabippo.net/pink-dolphin/
『アマゾンカワイルカ』アマゾン川に生息するちょっと怖い絶滅危惧種
https://cherish-media.jp/posts/11276
オリノコ川に住むイルカは長い鼻さきとピンク色が特徴。アマゾンカワイルカに会いに来ませんか?
https://venezuela.or.jp/trivia/pink_dolphin/
アマゾンピンクカワイルカとは?魅力的なピンクのイルカ
https://myanimals.com/ja/dobutsu/amazon-punku-kawairuka-miryokuteki/

(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 Marcos Mello / Adobe Stock