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多くの陰謀論が囁かれた陸上自衛隊「実弾誤射事件」の謎

災害救助といったの活躍などが印象強い自衛隊。だが、意見が今なお割れているという現状はいえ、海外の紛争地帯へ派遣されるなど実質的には軍事的な活動に関わっている。

各部隊ではそうした訓練が日々行なわれているが、これまで幾度か事故や事件が発生しているのも事実である。その中でも、あまりの異常性に「ありえない」と誰もが口を揃えたほどの出来事が、2016年の北海道で起こっていた。

5月23日。その日、北海道鹿追(しかおい)町の陸上自衛隊然別(しかりべつ)演習場において、北部方面後方支援隊の所属部隊およそ30人が参加する「援護射撃訓練」が行なわれていた。15時半ごろ、本来空包が使用されるはずであるその防衛訓練中、なんと実弾が誤って使用されてしまったのである。

9人の隊員により79発もの実弾が誤射されてしまったこの訓練は、行進時に敵から攻撃を受けた場合を想定したものであり、敵と自軍で撃ち合うような形で行なわれていたという。幸い2名の軽傷で済んだものの、なぜ実弾が使用されたのかに対して大きな議論が巻き起こった。

自衛隊の発表によれば、弾薬調達担当者のパソコンでの誤入力による発注ミスが主な原因であり、また隊員たちの経験不足によって空包と実弾の違いに気付けなかったということであった。銃を扱う上での基本動作をおろそかにした行為との判断であるが、それでも疑問は残る。




なにより、空包訓練であれば銃口にアダプタがつけられ実弾であれば破損するため異変に気付くはずであるにも関わらず、なぜ80発近い実弾が発射されたのかについては不明なままであった。

2017年1月には、弾薬の供給担当者の発注ミスということで計25人の懲戒処分が発表されることとなったが、「そうであったとしても、受領の過程で空包と実弾の違いに誰も気づかないのはおかしい」という意見もある。

この事件については様々な憶測が飛び交うこととなった。日本は実弾管理が世界一と言って良いほど管理に厳しい国であると言われ、薬莢(やっきょう)一つを紛失してしまったがために自殺した隊員もいたほどである。そのため、報道できない事情を隠しているのではないかとの疑いが強まることとなった。

その中には、人為的なすり替えがなされていたのではないか、自衛隊内部で反乱が発生したのではないか、演習中の自衛隊を急襲しそこに応戦したものではないか、というような陰謀論的な意見も囁かれるようになった。

“前代未聞”であったこの誤射事件が、多重のミスを引き起こした組織体質の怠慢によるものであるのか、それとも故意に実弾へとすり替えられ混乱を招くことを目的とした事件であったのか、現在でも大きな謎となっている。

自衛隊 空包と実包を間違えて撃った件
https://togetter.com/li/979326
【なぜ】自衛隊の訓練で実弾79発誤射の件について
https://togetter.com/li/979168
訓練中に実弾誤射 数十発、隊員2人軽傷
https://kachimai.jp/article/index.php?no=2016524134919
自衛隊員同士が実弾79発撃ち合い! 空砲入れ替わりの「ミステリー」
https://www.j-cast.com/2016/05/25267800.html?p=all
北海道の自衛隊・然別演習場で実弾誤射事故が起きた原因と理由
https://massy02.com/jitudan-jiko/

【参考記事・文献】
自衛隊 空包と実包を間違えて撃った件
https://togetter.com/li/979326
【なぜ】自衛隊の訓練で実弾79発誤射の件について
https://togetter.com/li/979168
訓練中に実弾誤射 数十発、隊員2人軽傷
https://kachimai.jp/article/index.php?no=2016524134919
自衛隊員同士が実弾79発撃ち合い! 空砲入れ替わりの「ミステリー」
https://www.j-cast.com/2016/05/25267800.html?p=all
北海道の自衛隊・然別演習場で実弾誤射事故が起きた原因と理由
https://massy02.com/jitudan-jiko/

(ナオキ・コムロ 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 D850 / photoAC