スピリチュアル

「WWEの美人レスラーみたいなエイリアンに出会った思い出」

私の生まれた岐阜県中津川市は、名前の通り街の西側を流れる中津川沿いに工場が建ち、その工場を駅まで結ぶ鉄道がありました。

コンテナや材料や木材を運搬する鉄道で、蒸気機関、所謂SLが走っておりました。私が中学生の頃に廃線になりましたが、現在は公園の中に展示されており、旧国鉄OBや愛好者でつくる「中津川市D51会」の皆さんが保守や清掃をして管理しておられます。私が幼稚園の頃はまだ鉄道は現役で走っておりましたから、線路に子供が近付くのはいけないことと厳しく教えられておりました。

この体験は小学校に入る前の保育園から幼稚園に上がった頃だったと思います。わが家は電気店を営んでおりまして、父母は毎日忙しく、ようやく手がかからなくなった私は自由に幼稚園の帰りに道草を楽しんでいました。

ある日、帰り道とは逆方向の中津川に行ってみたくなりました。

普段、親や先生から川と線路に近付くな!と言われておりました。しかし、行くなと言われると逆に行きたくなってしまうのは子供心というものです。

お昼くらいでしょうか。季節は春で花曇りのような天気だったと思います。私は黄色い帽子に同じ黄色い鞄、青い園児服がその頃の出で立ちだったはずです。

線路は中津川沿いに在って畑の真ん中を走っていたと思います。お昼時は貨物は通らないことを知っていたので、いけないとは分かっていたのですが線路の中に入って歩いてみました。

線路と枕木が足下からずっと向こうまで続いているのは、子供にとっては引き込まれるような景色だったとのでしょうね。

畑にも人が居ないのを幸いに私はどんどん線路を歩いて行きました。枕木を飛び越えたり、石を投げて片足でケンケンしながら数えたりと一人遊びに夢中になっていました。

その時でした。

突然辺りが金色に輝き始めて、びっくりした私が線路から視線を上げると、花曇りでうっすらと青みがかった空の中で月より遥かに大きい光が輝いていました。

それは輝きを増しながら降りて来ました。まぶしくて息が出来ないような圧迫感を憶えています。右の耳でキーンという高い金属音が響き始めました。

ふいに言葉が響きました。聞こえたというより頭の中に響いた感じです。

(あなたはどこの子?)

すると目の前に女性が立っていました。3メートルくらい正面でしょうか?子供心にもびっくりするような美しい女性でした。金色に光り輝いていました。


本で見た西洋の肖像画に出て来るような美人でした。でも、雰囲気はどちらかと言うとお婆ちゃんと行くお寺にある観音様にも似ています。

顔は観音様をもっと北欧の人に近付けた感じです。背が高くて、今思うとWWEの細身の女子プロレスラーのような感じです。華奢ではなく、何と言うか戦士みたいな…

そう、バイキングに出てくる女戦士に近いでしょうか。出で立ちもそれに似ていて、その上から半透明な薄く光る玉虫色がかったヴェールのような不思議なものを着ていました。

金髪で青い目。不思議と怖いという気持ちはなかったのですが、まず驚いてしまって言葉が出ませんでした。

空にあった丸い光は輝く金色の円盤みたいにその女性の頭上に来ていました。

(あなたはどこの子?)

もう一度頭の中で言葉が響きました。

「S町のK電器のKです」と親から躾けられていた通りに答えました。《迷子になったらこれを言うんだよ!》といつも言われていた通りに電話番号も住所も言いました。

不意に男の人の声が響きました。

(連れて行くかい?)

突然、女性の隣に男性が立っていたのです。またびっくりしました。女性は男性も見ないで言いました。いえ…頭の中に問いかけます。

(あなた、私と一緒に来る?)

私は顔を振って“イヤイヤ”をしました。

(どうして?)

また聞かれました。

「今日はカレーライスの日だから」

私の大好きなカレーを作ってくれると母と約束した日でしたから。

その時、初めて女性が微笑んだ気がしました。

(また来るわ)

そう言葉が響いたとたん私は目の前が真っ暗になってしまいました。

気が付いた時は布団の中でした。

「あ、Kが起きたよ!」と、お婆ちゃんの声がしました。ドタドタと走る音が聞こえて母がふすまをバシッと開けました。

「あんた、何やっとったの!? 心配したよ!」

大きな声がしましたが、まだうつらうつらしているような変な感じで上手く答えられませんでした。一言、「…カレーライス…」と言うのがやっとでした。

後で話を聞いて分かったのは、畑の持ち主のおじさんが線路の脇に倒れている私を見つけて、『これは大変だ!』と助けてくれて家に知らせてくれたそうです。

落ち着いてから自分が体験したことを母と祖母に話しました。でも、やっぱり信じてもらえませんでした。

この後、毎日この体験の夢を繰り返し観ることになります。段々観る頻度が少なくなって来たのは小学生の二年生に事故で頸椎を痛めて入院してからのことです。今でもたまに夢で見ます。

そして、この後UFOを観る時は何故か右の耳に金属音の耳鳴りがするようになりました。

(アトラスラジオ・リスナー投稿 Kさん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Jerzy GóreckiによるPixabayからの画像