空白の「石器時代」朝鮮半島では一度人々が居なくなっていた…

旧石器時代は、およそ250万年前から1万年前の期間を指す時代である。いくつかの家族が集まり、打製石器を用いて集団で狩りを行なっていたことでも知られ、狩猟採集を行なって生活していたとされている。

かつて日本では、列島が火山活動により人の住める環境ではないために旧石器時代は無かったと考えられていたが、1949年に相沢忠洋という青年が関東ローム層から打製石器を発見したことで、日本列島の旧石器時代の存在が確証されることとなった。現在の日本において、旧石器時代の遺跡とされているものは全国で1万を超えており、九州だけでも2000は存在しているという。


ところで、お隣の朝鮮半島では旧石器時代の遺跡があまり見つかっていないということをご存じだろうか。朝鮮半島の旧石器時代のものとされる遺跡は、約200ほどであると言われており、日本と比べてあまりにも差が大きいことがわかる。これは、当時の環境が影響していると考えられている。

当時、朝鮮半島は中国大陸と一体となっており、半島そのものが存在していなかったとされている。この時代のいわゆる朝鮮半島は、ヴェルム氷期と呼ばれる最終氷河期に相当しており、そもそも人がほとんど住んでいなかったと考えられる。

しかし、氷河期が退き始めて環境が良くなったはずの旧石器時代が終わるころ、1万2000年前から新石器時代が始まる7000年前にかけて、朝鮮半島では約5000年間に及ぶ空白の期間が存在しているのである。韓国では、この時代を「中石器時代」と設定して呼ぶことがあるそうだが、この時代を確証する遺跡が、韓国ではいまだに発見されていないという。

一説には、環境の急激な変化に伴う人々が離脱していったのか、もしくは絶滅してしまったのではないかと考えられているのだ。その後、人々が一度消え去った地に、北部からはユーラシアからのウラル系、南部からは日本の縄文人がそれぞれ朝鮮半島へ人々が入ってきたとされている。現に、釜山市の東三洞貝塚という遺跡や済州市の高山里遺跡からは、縄文土器片が多数発掘されている記録が事実として残っている。




かつて日本では、旧石器時代遺物捏造事件という衝撃的な事件があった。考古学者が、自分で遺物を埋めて自分で発掘するという類を見ない珍事であったが、この時韓国では、この事件が大々的に取り上げられていたという。この事件が発生した2000年は、歴史教科書の記述問題が大きな議論を呼んでいた時期でもあり、遺物捏造事件は「日本人の自国への陶酔と歴史歪曲」と地続きで報じられたそうだ。だが実は、韓国でも1995年に別黄字銃筒(べつおうじじゅうとう)捏造事件という同様の事件が起こっている。

少々穿った見方にはなってしまうが、旧石器時代遺物捏造事件における韓国の日本非難は、自国で同様に起こった事件への鬱屈の裏返しと、自国の旧石器時代の遺物の乏しさという嫉妬から発せられたものであったのだろうかと思えてしまう。今後の考古学的調査の進展に注目したい。

【参考記事・文献】
野平俊水『韓国人の日本偽史』
日本国の領域と朝鮮半島:先史時代
https://www.nukumori1.com/nippon_area_korea/

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(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 Gary Todd – https://www.flickr.com/photos/101561334@N08/28419771686/, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=78794962による

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