全身が緑色の子供たち「グリーンチルドレン」の正体

イギリスに伝わる昔話に、「グリーンチルドレン」と呼ばれるものがある。

グリーンチルドレンとは文字通り、全身の肌の色が緑色の子どもたちのことを指す。12世紀にまで遡るとされるこの物語は、現在では単なる伝承ではなく実話だったのではないかと強く考えられている。

イギリスのサフォーク郡にあるウールピットと呼ばれる町での話。オオカミ猟の罠に利用していた穴の中から2人の子どもが発見された。一見すると姉と弟のように見えるその子供たちは、あまりに異様な姿をしていた。肌の色は全体が緑色に覆われており、現地では見たこともないような衣服を着ており、また話す言葉も未知の言語で聞き取ることができなかったというのである。


発見者によって保護された2人は、当初は食事を与えられたが何一つ手を付けようとしなかった。しかし数日して、食事の中にそら豆を見つけた途端にそれを貪るように食べだしたという。徐々に他の食事にも口にするようになると、2人の肌は緑から通常の肌の色に変化していった。

しかし、それからまもなくして弟は病によって亡くなってしまった。残った姉はその後無事に生き続け、だんだんと英語も話せるようになって、通常の生活を送ったのちに結婚もしたという。

この話は、通称「ウールピットのグリーンチルドレン」として知られ、今ではこのグリーンチルドレンをモチーフとした看板が町に設けられている。最も興味深い点は、姉と思われる子が英語で意思疎通が可能になった際に試みられた、その子たちの出自についての返答である。

彼女によると、「自分たちは“聖マーティン”という場所で暮らしていた」「その地は太陽が昇ることなく常に夕暮れのような情景」であり「大きな川を隔てた地域は陽光に照らされていた」「親の飼育する家畜にエサやりをしている最中に美しい鐘の音を聞いた」「その鐘の音を聞いているうちにいつのまにか穴に落ちていた」ということだ。

この話は、子どもたちがエイリアンではないかという説から、ポータルによってやってきた異星人説まで広く考えられてきた。中でも、有力とされているのは、この子供たちは逃げ延びてきた移民もしくは孤児であり、栄養失調によって肌が変色していたのではないかという説である。




また、聖マーティンという名の教会が実在しており、その周辺にはトリムリー・セント・マーティンやタッデナム・セント・マーティン、フォーナム・セント・マーティンという名の村も存在していたため、このいずれからかやってきた可能性が強く見いだされるようになった。

因みに、子どもたちが真っ先に食べたと言われるそら豆は、かつて「死の象徴」とされていた俗信がある。現在でもそら豆中毒という言葉が時たま聞かれるが、実際にそら豆によって何らかの病状が引き起こされることはないとされているが、生まれつきの遺伝病と結びついた末に過剰な反応を引き起こしてしまうという可能性は充分に考えられるというのである。

「太陽が昇らない」「いつの間にか穴に落ちていた」という部分についてはまだ詳しくわかっていないが、先の説からすれば、何らかの強烈な出来事による記憶の齟齬によるものであるとも考えられるだろう。それが紛争に関わるものであるのか、ある説では両親からの虐待というものも考えられている。

いずれにせよ、グリーンチルドレンとは数々の不幸や不遇が重なって誕生した悲劇の存在だったのかもしれない。

【参考記事・文献】
戦慄実話「グリーンチルドレン」の正体ついに判明!? 未知の言語、謎の偏食… 3つの新仮説
https://tocana.jp/2022/02/post_229865_entry.html
ウールピットの不思議な「緑の子供達」の子孫は今も存在するのか?
https://ameblo.jp/horehore-oo7/entry-12674626679.html
【恐怖】知らずに損してた!!そら豆を食べ過ぎた人に起こった末路とは?
https://x.gd/M8GAp

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(ZENMAI 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 https://twitter.com/fasc1nate

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