今世紀の社会崩壊は既に証明されていた!1970年代に予測されたMITの研究

今から約50年前、マサチューセッツ工科大学(MIT)の科学者たちは、今世紀中に「地球規模の崩壊」が起きると予言していた。当時の影響力のある報告書を改めて見てみると、今世紀中の世界崩壊の予測は、驚くほど正確であることがわかった。

1972年、マサチューセッツ工科大学(MIT)の科学者チームは、一流の学者、科学者、ビジネスリーダー、政治家の国際的グループであるローマクラブから委託を受け、コンピューターモデルを使用して人類の未来を調べていた。報告書『成長の限界』では、系統動態モデルを用いて人口、工業生産高、汚染、食料生産、地球の天然資源の間の複雑な相互作用の追究が行なわれていた。

その結果、世界経済の崩壊が回避され、生活水準が安定する「安定した世界」シナリオは可能だが、それには優先順位と社会的価値観の劇的な転換が必要であることがわかった。環境に配慮した自由な経済成長が続けば、食糧不足と人類福祉の急落に悩まされるグローバル社会が生まれかねない。




結局のところ「通常通り」のシナリオでは、21世紀中にグローバル社会が崩壊する可能性が高いことを示したのだ。ここでいう崩壊とは、恐竜のように人類が絶滅することを意味するのではなく、産業成長の全面的な停滞と人類の福祉の著しい低下を意味する。

この研究は多くの批判と論争を巻き起こしたが、今このデータを見返してみると、これまでのところ、モデルの予測は驚くほど順調に進んでいることがわかる。

2020年11月に産業生態学会誌で報告されたように 、会計事務所KPMGのディレクターであるガヤ・ヘリントンは、過去数十年の経験的データが報告書の予測とどのように一致しているかを調べた。

そこでは新しいデータを用いて、2つの異なる「通常通りのビジネス」シナリオ、「安定した世界」、そして人類が技術開発によって環境的制約から抜け出すためのイノベーションを起こすことができる「総合技術」の4つの異なるシナリオを検討した。

21世紀には、天然資源の枯渇、汚染、気候変動、環境破壊という2つの「ビジネス上のシナリオ」が、地球規模の崩壊を引き起こした。包括的な技術は今世紀中に完全な崩壊を免れることができた。しかし最終的には技術コストの上昇により人類の福祉が低下した。


世界が社会の価値観や優先順位を劇的に変化させた安定世界シナリオでは、21世紀末までに人口が安定し、生活水準が維持された。

何よりもヘリントンの研究は、50年前の予測が驚くほど正確であり、世界はまだ安定した世界への道を歩んでいないように見えることを裏付けている。一縷の望みがあるとすれば、安定した世界と楽観的な未来がまだ私たちの手の届くところにあることを、このシナリオが示唆していることだろう。だが、これを実現するには抜本的な変化が必要なのだ。

「一見曖昧な結果の背後には、人類が進路を変更し、将来のデータポイントの軌道を変えるのに、まだ遅くはないというメッセージが隠されているのだと思います」とヘリントンは言う。

「SW[安定化した世界]の追従性は最も低いですが、意図的な軌道修正はまだ可能でしょう。そのチャンスの扉は急速に閉ざされつつあります」

(黒蠍けいすけ 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

Joakim RoubertによるPixabayからの画像

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