岐阜の慈光です。
今日は、久しぶりに私の不思議体験をお話しようと思います。
よく仏教の言葉に「因果応報」と言う言葉がありますよね。これは、すべての行いには原因があって結果がある。良い行いをすれば良い事が返ってくる。悪い行いをすれば悪い事が返ってくると言う有名なお釈迦様の教えの一つです。
この話が現実に起こったことを私に話してくれたある女性がいました。今回は、その女性との一期一会のお話です。
今から30数年前に遡りますが、その頃私はまだ大学の2回生でした。ある日、自宅でたった一人で留守番をしていた時に突然、呼び鈴が鳴り、玄関を開けると20代後半くらいの一人の女性が立っていました。
その女性は自分はこういう者だと、一枚の名刺を私に渡してくれました。その名刺を見ると印鑑の鑑定士?なる会の名称が書かれていて、その下に彼女の名前が書いてありました。
ちなみに彼女の名前をHさんとしておきましょう。彼女は突然、私に印鑑の話を始めたのでした。私は最初、高額な印鑑を勧めるセールスか?と警戒していましたが、彼女の穏やかな口振りに次第に緊張感がほぐれて、いつしか彼女の話に聞き込んでしまいました。
最初、Hさんはどんな印鑑が家に幸運をもたらすかを説明しておりました。まず、彫ってもらうなら修行を積んだ方に彫ってもらうと良いだとか、後、印鑑の円の中の字が淵に繋がっている物を選べとか、女性は姓が変わるので下の名前で印鑑を作ると良いなどと言っておりました。
最初、私は初めて聞く印鑑の選び方の話に段々とのめり込んでいきました。それを見たHさんは、気を良くしたのか、突然、宗教的な話題に切り替わっていきました。
「人の縁とは、とっても大切なんですよ。そのためにも良い縁を結ぶためにもいろんな場所で押される印鑑は、大切なんです。実は、こんな話があるのですよ」
そう言うと、彼女は唐突にある誘拐事件の話を始めたのでした。それは、こんな話でした。
XX事件(実際にあった事件だったらしく、配慮して名前を伏せてあります)と言う昭和に起きた事件らしく、ある男がある小学生を誘拐して身代金を要求した事件が発生。警察は大規模な捜査をして誘拐された小学生と犯人を探したのですが、見つからず、結果、残念な事に男の子は他殺体で発見されたとのことです。
その後、犯人も逮捕され事件は解決されたのだそうですが、実は、この誘拐事件には後日談があり、犯人が何故、公園で遊んでいた沢山の子供達の中からその小学生を選んで誘拐したのか?その小学生と犯人には何か繋がりがあるのか?それをある新聞記者が追跡調査して調べたのだそうです。
その被害者と犯人には何の繋がりもないように思われていたのが、実はお互いの祖先がある同じ村の出身者だったことを新聞記者は突き止めたのでした。
しかも、その祖先同士も田んぼに引く水の量でトラブルになり、被害者の祖先に当たる人物が、犯人の祖先にあたる人物を殺してしまうと言う事件が起きていたことも新聞記者は突きとめたのでした。
Hさんからその話を聞いた私は、一瞬ゾクゾクッとしました。「これが、仏教で言う因果応報です」とHさんは言いました。「殺された被害者は、前世で自分が殺した人物の生まれ変わりに殺されたのだ」と言うのです。
果たして、本当にそんなことが起こり得るのでしょうか?前世での行いが来世にも影響するのでしょうか?
私は、その時、初めて仏教の教えの深さに興味を持ちました。前世、今生、来世。何度も何度も人は生まれ変わって自分のカルマを解消するために修行に出されているのだとHさんは言いました。
一通り話終えると、Hさんはこの誘拐事件を解説するために書いたメモ用紙に、私の名前を書いてくれと言ってきました。何故ですか?と聞くと、Hさんはお焚き上げするから書いて欲しいと言うのです。
仕方なく私はそのメモ用紙に自分の名前を書いて手渡しました。
その後、一礼すると彼女は玄関の戸口を開けて帰っていきました。後に残った私は、しばらく放心状態でボーッとしてしまいました。でも、印鑑のセールスではなかったのでそれはホッと胸をなで下ろしていましたが…
これが私が聞いた因果応報の話でした。
今回は、一方的に相手の話を聞いただけでしたが、何故、Hさんがそんな話を私にしたのか?しかも突然の飛び込みセールスのようにして⁈ 今でも不思議でならないです。
(アトラスラジオ・リスナー投稿 慈光さん ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Sammy-SanderによるPixabayからの画像