月空洞説とは、アポロ計画の以後に唱えられるようになった仮説の一つである。その名の通り、月の内部は空洞になっているのではないかという説であるが、なぜ空洞であるのか、空洞であれば内部はどうなっているのかということが紐づけて語られている。
1969年、アポロ11号によって世界初となる月面への有人着陸が成功した。アポロ計画はその後15号まで続けられ、その間に様々な月面での物質採集や実験が行なわれていた。
11号の着陸から4ヶ月後のアポロ12号でのこと、この時の実験の一つに「月での地震調査」があった。月面の数ヶ所に地震測定器を配置し、上空およそ65メートルから宇宙船の離陸装置を落下させて地震を発生させた。すると、その揺れはなんと約55分もの長い時間計測されたというのだ。まるで、鐘に衝撃を与えた後に鳴り響く様のようであったことから、月の内部は空洞になっているのではないかと考えられるようになった。
月はその成り立ちからも、ジャイアントインパクト説(巨大衝突説)といった様々な説が唱えられているが、その中には「月が人工的に作られたものではないか」という考えも存在している。さらに言えば、月はエイリアンによって宇宙船として改造された天体であり、地球に飛来するUFOの燃料補給地とされているのだという。月が常に同じ面を地球に向けているのは、月の裏にある基地を隠すための意図的なものであり、地下都市では多くのエイリアンたちが住処としているというのである。
しかしながら、2023年5月には「月の内部(核)は鉄と同程度の密度を持っている」ということが調査によって改めて発表された。この発表では、かつてアポロが行なった地震実験は、解析度がきわめて低くコアの状態が正確に計測されなかったとしており、事実上月は個体の球体だと判断したのだ。
近年では、衛星「かぐや」によって月表面の“マリウスの丘”と呼ばれる場所で深さ50メートルほどの穴と、その地下に50キロメートルにおよぶ巨大な空洞が存在していることが観測された。これより月空洞説が信憑性を増したと考える向きもあるが、この空洞については、マリウスの丘周囲で遥か昔に溶岩が流れていたという痕跡があったということから、溶岩によって形成された洞窟ではないかと考えられている。
月の内部がそっくり空洞である可能性は、今のところ限りなく低いと思われる。しかし、非常に大きな空洞自体が存在したことは間違いなく発見され、これがいずれ実際の基地建設に使えるのではないかという話も囁かれている。エイリアンが単なる地球外生命体ではなく未来人であるという説が存在するが、月空洞説は我々が今後月で実行する未来の姿を描いた予言めいた説なのかもしれない。
【参考記事・文献】
・「かぐや」の観測データにより月の地下の空洞が発見される
https://onl.bz/i6ubTFV
・It’s Official: Scientists Confirm What’s Inside The Moon
https://onl.bz/h11ae6Q
・月の空洞説・人工天体説は本当か? 実際に月の地下に巨大空洞があった!
https://machiukezoo.biz/archives/6897#toc8
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(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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