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陸上自衛隊の裏組織「別班」とは何か?

別班とは、陸上自衛隊の裏組織と呼ばれており、組織上存在しない非公然の秘密情報組織である。2023年のテレビドラマ「VIVANT」に登場し、陸上自衛隊の秘密情報舞台として注目を集めたが、その存在については、総理大臣や防衛大臣ですら存在を知らされていないと言われている。

別班の活動は、日本の周辺地域(ロシア、中国、朝鮮半島など)の情報収集活動であり、各地に拠点を置いて身分を偽装し活動しているという。スパイ活動を行なう軍事組織はアメリカやロシアなどにも存在はしているが、別班の場合は先にも言った通り総理大臣や防衛大臣にも存在を秘匿しているため、独自に活動していると言われている。

別班は、自衛隊の前進であった「警察予備隊」で行なわれた研修制度が起源であると考えられている。アメリカの進駐軍によって、日米の軍事情報部門の連携を強化するため、警察士長や一等警察士といった中堅幕僚に諜報活動の研修を受けさせるようになり、のちに警察予備隊が改編された「保安隊」でも継続されていたという。

1954年に「自衛隊」が正式に発足された際、「陸上自衛隊と在日米陸軍が非公式に合同で諜報活動を行なう」という旨の秘密協定が結ばれたという。密約に基づき、1956年から自衛官への研修が本格化したのち「別班」と呼ばれ、長きに渡って隠蔽されてきた。

組織の存在は、現在にいたるまで自衛隊OBの著作や報道によってたびたび浮上してきた。初めてクローズアップされたのは、1973年当時、韓国大統領候補であった金大中が拉致された際に、別班のメンバーが関与していたという記事が『週刊現代』に掲載されたことによるという。




特殊な教育や訓練をするコースを修了することで別班になるとされているが、このコースは、陸上自衛隊小平学校の中の一部にカリキュラムを置いているという。小平学校はその前進校の創設に陸軍中野学校の元教官などが関与しており、特殊訓練の養成課程も陸軍中野学校の流れをくんでいると言われる。

修了者いわば別班となった人間は、出身校の同窓会や同期会に出席してはいけない、友人と呑みに行ってはいけない、年賀状や近所付き合いも禁止、などといった外部接触の一切を絶つという厳しい掟が多数存在し、そのため精神を病み社会的な適応ができずに別班を去る者もいるという。また、活動内容は非合法なものも多く、一説には日本航空123便墜落事故において生存者の殺害といった事故の隠蔽を行なったのではないかとも言われている。

先にも述べた通り、別班は公然とされていないがゆえに勝手に活動を行なっている状態にある。文民統制(シビリアンコントロール)が効いていない組織と言ってよいだろう。そのため、戦中に暴走したといわれる関東軍のようになってしまう危険を大いにはらんでいると考えられている。災害派遣で称えられ象徴される自衛隊の正の面からすれば、別班は旧陸軍以来の負の面を内包しているようにも思える。

【参考記事・文献】
・謎に包まれた陸上自衛隊「別班」とは?…政府は「ない」と言うけれど TBSドラマ「VIVANT」で注目
https://www.tokyo-np.co.jp/article/270668
・「別班」の起源や活動内容とは 【日米の密約から生まれた組織だった】
https://kusanomido.com/life/geinou/71125/
・自衛隊の闇組織「別班」とは…総理大臣も防衛大臣も存在を知らない!?
https://newspass.jp/a/1e3ig

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(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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