2023年9月28日、東京都千代田区にあるライブステージ・パームス秋葉原にて「怪獣プロレス」の旗揚げ戦が行われた。
「怪獣プロレス」はプロレスラーの雷神矢口(矢口壹琅)が代表取締役をつとめるプロレス団体で、矢口氏の他にオカルト研究家・作家の山口敏太郎が取締役をつとめている。
この日の旗揚げ戦では特別マッチを含めた全五試合が行われ、パームス秋葉原にはプロレスファン&怪獣ファン約200人が集結。世にも奇妙なプロレス団体「怪獣プロレス」誕生の瞬間をその瞼に焼き付けた。
※以下、試合のレポート※
第一試合は「大怪獣ギョロンVS大怪獣ブルゲーター」。大きな目玉が特徴のギョロンおよびトカゲ型の大怪獣ブルゲーターは、お互いの体重を活かしたマウント戦法や尻尾攻撃を繰り出す。15分に渡り熾烈なバトルを繰り広げたが勝敗はつかず『キングコング対ゴジラ』(1962年の東宝映画)よろしく時間切れの引き分けとなった。
続く第二試合は「宇宙怪獣キングマンドラVS甲府星人」。昭和時代の山梨県甲府市で目撃された謎の宇宙人・甲府星人と三つ目の宇宙怪獣の一騎打ちがリング上で繰り広げられた。
甲府星人は『ウルトラセブン』(1967年の特撮番組)に登場するバド星人のようなアクロバティック戦法でキングマンドラを翻弄するなど善戦したが、重量級のキングマンドラには攻撃が通らず、ボディプレスからのTKOで、キングマンドラが勝利を収めた。
第三試合は「ウルトラロビンVS PO-K2」ウルトラロビンは円谷プロ後任のプロレスラーで、対するPO-K2は銀色に輝くロボット怪獣である。
PO-K2は途中オイル切れに苦しみつつも有利に試合を進めていたが、正義のヒーロー・ウルトラロビンの起死回生のスペシウム光線でフィニッシュ。リングに倒れ込むロボ怪獣・PO-K2の姿は『ウルトラセブン』に登場するキングジョーの最期を髣髴とさせた。
休憩をはさんだ第四試合=メインイベントは「ヒバゴンVS雷神矢口」。昭和時代の広島県庄原市(旧比婆郡)西城町の比婆山麓にて目撃が相次いだヒバゴンは、1974年を最後に目撃情報が途絶えていたが、令和の世に約50年ぶりに復活。山口敏太郎と怪獣使い(高野浩幸)に連れられて登場したヒバゴンは野性味溢れるファイトで矢口を苦しめる。
だが、野性味なら矢口も負けてはいない。矢口はヒバゴンの隙を付いてバックドロップで応酬。その姿は巨大怪獣と人造人間が肉弾戦を繰り広げる東宝の特撮映画『フランケンシュタイン対地底怪獣』(1965年)のようであった。ヒバゴンを追い詰める事に成功した矢口だったが、圧倒的体格差は埋められず最終的にはヒバゴンの必殺技「ヒバゴンプレス」で3カウントを取られてしまい旗揚げ戦は怪獣軍団の勝利となってしまった。
惜しくもヒバゴンに負けてしまった雷神矢口のリベンジおよび「怪獣プロレス」の次回興行は今年11月4日(土)に東京ドームシティプリズムホールで行われる「矢口30周年記念大会 KAIJU MANIA」にて行われる予定だ。
詳細やチケット情報は怪獣プロレス公式サイトをご覧頂きたい。
■怪獣プロレス公式サイト
https://www.kaiju-prowrestling.com/
文:穂積昭雪