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日本超古代史を記した文書の持ち主「竹内巨麿」とは何者だったのか…

イエス、モーゼ、釈迦など世界の偉人が日本にやってきていた、世界各地の文明は日本が起源である、など。想像を絶する世界観・歴史観にあふれる奇怪な史料「竹内文書」。

その所持者であったのが竹内巨麿である。

竹内巨麿という人物については、素性が定かではない。彼は明治初頭、富山県の樵の家に生を受け地元旧家の竹内家の養子となる。祖父から譲り受けたと称する古文書や神宝を公開して天津教を設立するに至り、現在も茨城県にその本庁である皇祖皇太神宮が存在している。

神代文字を読み解き、祈祷によって病を治すといった奇跡を起こす霊能力者だったそうであるが、のちのGHQの取り調べでは「誇大妄想者」と断定されたという。

「竹内文書」とは、いわゆる神代文字で記述された文献、武烈天皇の勅命を受けた武内宿祢の子孫・平群馬鳥よる写本群、そして譲り受けたという神宝を総称した呼び名であり昭和初期に公開された。

古事記以前の歴史書という触れ込みで注目を集めたが、のちに偽史・偽書であると判断された。しかしながら、近年には我こそが正統な後継者と名乗る人物により「正統竹内文書」が公開されるなど、現代においてなお影響を及ぼしている。

冒頭でも述べたようにこの「竹内文書」は、古代日本には錆びることのない金属「ヒヒロカネ」が存在した、神武天皇以前から天神7代・上古25代・不合朝73代の時代を連綿と経ている、世界には五色人(黄人・赤人・青人・黒人・白人)が存在していた、というようなあまりにも常識離れした内容であった。

文書そのものは東京大空襲で焼失してしまい、現在その資料については巨麿自身や研究者たちが写したメモに頼るほかないという。

戦前の日本に突如として現れ、多くの日本人を驚かせそして湧かせた怪人・竹内巨麿と一部人々を熱狂させた竹内文書。ネットに多くの乱雑な情報がはびこる現代だからこそ、リテラシーの教訓として心に留めておくべき人物と記録であるのかもしれない。

(にぅま 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 正統「竹内文書」の謎 (ムー・スーパー・ミステリー・ブックス)