人々が宇宙旅行に思いを馳せ、また地球外生命体などの発見・接触にロマンを抱き、そう遠くない未来に実現が迫るだろうという中で、それに待ったをかける研究者たちの声があがっている。そして、なんと人類が細菌を宇宙へ持ち出すことによって、エイリアンを絶滅させてしまうかもしれないというのだ。
我々地球人のバクテリアが、地球外生命体にどのような影響を与えるかについての研究をおろそかにしたまま宇宙旅行や惑星植民を行うことは、エイリアンと交流する機会を得る以前に絶滅させてしまうことにつながる可能性があるという。
先ごろ、『Off-Earth(地球を離れて)』を出版した宇宙物理学者エリカ・ネスヴォルドは、次のように語っている。
「どのような滅菌方法でも、汚染の可能性を完全に取り除くことはできません」
「宇宙旅行や採掘で利益を得ようとする民間宇宙企業は、将来の宇宙生物学的研究のためではなく、株主に対する義務で突き動かされているだけです」
「この問題は、人類が宇宙での永住を目指すにつれてより深刻になっていくでしょう。周囲の環境をマイクロバイオーム(ある環境で得られる微生物の集団、微生物叢)にさらすことなく、農作物を耕し、廃棄物を処理し、子供を育てるにはどうすればいいのでしょうか?」
「科学的探査よりも利益や植民地化を優先する人々の思惑が宇宙に埋め尽くされ続けている今、地球上の汚染を無視していては、将来的に見込まれる太陽系の生命を発見する道が閉ざされてしまいます」
世界中で民族の崩壊を招く大きな要因の一つには、疫病や細菌の感染があると言われているが、同じ地球上という範囲内でさえそのようなことが起こっているのだ。地球外生命体であればなおのこと問題が非常にデリケートなものであることは容易に想像できる。
我々は、宇宙へ旅する憧れや地球外生命体・エイリアンとの接触について、より慎重な態度で考える必要があるのかもしれない。
(飯山俊樹 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
Mohamed HassanによるPixabayからの画像