アメリカのテスラ社最高責任者であり、宇宙開発企業のSpaceX社を率いるイーロン・マスク氏は、度々革新的なプロジェクトを発表したり、意味深な発言を行って話題になる人物でもある。先見性のあるプロジェクトを立て続けに実行している点などから、イーロン・マスク氏は実は宇宙人なのではないか、という都市伝説が存在しているほどだ。
時に彼はそんな都市伝説に乗っかったようなジョークをはX(旧ツイッター)で書き込んだりして注目される事もあるが、彼自身は宇宙人については至って真面目な見解を持っているようだ。
7月、彼は地球外知的生命体に関する有名なパラドックス「フェルミのパラドックス」について言及している。「フェルミのパラドックス」は提唱者のエンリコ・フェルミにちなんで名付けられたもので、
「我々の太陽系は45億年前に出来たもので、様々な銀河系が出来たという138億年に比べれば若い部類に入る。そのため、技術力が進んだ宇宙人が存在するならば、彼らは理論的には恒星間旅行を可能とする技術を有しているはずであり、すでに我々の前に姿を現していなければおかしい」という矛盾のことである。
マスク氏は「フェルミのパラドックス」について、「フェルミのパラドックスに矛盾しない最も恐ろしい答えは、宇宙人がどこにも存在しないということだ。そうなると、私たちは暗闇の深淵にある小さな意識のロウソクでしかない」と語っている。宇宙人がいつまで経っても地球に来ない理由、それは我々人類以外に知的生命体が存在しないから、というものだ。
マスク氏と同様の仮説を唱える人物は他にもおり、マンチェスター大学教授でBBCの科学ドキュメンタリー番組にも出演しているブライアン・コックス教授もその一人。彼はマスク氏の意見に同意をみせており、「宇宙に我々人類しか知的生命体が存在しないと仮定した場合、我々の集団的な心は、目の前のタスクに集中するはずだ」と述べている。
また、一般の人からの「検出可能なほど進化した文明は、時間的に重なる確率が小さすぎるほど早く絶滅してしまうという説明は可能だろうか?」という質問に対してもコックス教授は「私たち人類は、悲しいことにそのような道を歩んでいると思います!私たちの仕事は、この運命を避けることです」と回答している。さらにコックス教授は、太陽系で微生物以外の生命が見つかる可能性は低いという見解を示している。
果たして、我々人類は本当に宇宙で孤独な存在なのだろうか。この答えは地球外知的生命体の証拠が見つからない限り、永遠に立証できないかもしれない。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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