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クリストファー・ノーラン監督語る「AIは原爆であり我々創造者は破滅する」

現在、ハリウッド俳優らの組合がストライキを起こし、映画・ドラマ制作の現場に影響が出ている。争点は幾つかあるが、その一つがAIの台頭だ。映像や画像、文章等の生成AIの進化は目覚ましく、現在ではAIだけで人間が撮影したものと遜色ない動画が出力できる程となっている。そのため、様々な俳優や声優、制作者らが職を失う恐れがあるとしてAIの利用に声を上げているのだ。

こういった抗議の声を上げている人の中には有名な映画監督もいる。クリストファー・ノーラン監督もその一人だ。彼の最新映画『オッペンハイマー』はストライキの最中の7月21日に封切られており、人類最悪の兵器と呼ばれる原子爆弾を産み出したJ・ロバート・オッペンハイマーを描いた内容となっている。

ノーラン監督は自分が撮影した映画になぞらえ、「現在のAIの開発ペースと原爆の開発競争は似ている」と述べている。

かつてオッペンハイマーは、自分が都市全体を壊滅させることができる原子爆弾を産み出してしまった事に気づいた時に「私は死神なり、世界の破壊者なり」と語り、兵器を開発したことを後悔したという。それから80年たった現在、イーロン・マスクのようなAI革命の新しい担い手やリーダーたちはAIが “ターミネーター “になって地球上の生命を終わらせる可能性を危惧しつつも、開発競争を止めようとしていない。




「AI分野のリーダーたちと話すと、しばしば彼らがオッペンハイマーのように見える。AIシステムは、最終的には防衛インフラに組み込まれるだろう。核兵器を担当するようになるだろう。そのAIを使いこなし、プログラミングし、使用する人間とは別の存在だと言うなら、我々は破滅する」と、ノーラン監督はニューヨークで行われた試写会にて、半知覚技術の兵器化にまつわる恐怖をBBCのインタビューにて語っている。しかし同時に、監督は「AIが暴走して人類を破滅させるのを食い止めるための “答え “を提供できるかもしれない」とも述べる。

「オッペンハイマーの物語が、そのような疑問に対する簡単な答えを提供するとは言わないが、少なくとも兵器やそれに准ずる技術を開発する責任がどこにあるのか、そして人々が一息ついて、”説明責任はどこにあるのだろう?”と考えるのかを示すことはできるはずだ」

果たして、AIの進歩はどこに向かっていくのか。気になる所だ。

(加藤史紀 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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