現在公開中の人気シリーズ映画最新作「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」。約15年ぶりの新作にくわえ主演のハリソン・フォードがインディ・ジョーンズ役を引退することを表明したこともあり、本作は注目を集めている。
さて、「インディ・ジョーンズ」に登場する宝物は実在する遺物に基づいていることは皆さんも御存じの通りだ。
では今作の「運命のダイヤル」ことアルキメデスのダイヤルの元ネタは何だろうか。これは一般に、史上最も重要な考古学的発見のひとつとされる古代の「コンピューター」こと「アンティキティラの機械」ではないかと考えられている。
アンティキティラの機械が制作されたのは今から約2000年前にさかのぼる。1900年にギリシャのアンティキティラ島沖でダイバーによって難破船から回収されたこの機械はコインや宝石、陶器、彫像の破片などの他の遺物とともに発見された。青銅の歯車を驚くほど複雑に組み合わされたこの装置を、古代ギリシア人がどのように開発したのかは、いまだに謎のままだ。
当時はここまで複雑な機械を作ることは不可能と考えられていたが、現在では歯車機構を活用した初期の天文計算機の一形態であると考えられている。
さらに最近になって、この機械を載せていた船の乗組員の骸骨も発見された。研究者たちは、この船が沈没したのは小アジア沿岸からローマに向かう途中であり、結婚を控えた女性の貴重品を積んでいたと考えている。そこから、機械も地図や航海の補助として使われた可能性が高いと考えているようだ。
昔から航海の際に方角を定めたり、暦を計るために天体の動きが使われてきた。アンティキティラの機械は当時のGPSのような装置だったのかもしれない。
(勝木孝幸 山口敏太郎タートルカンパニー ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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