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【昭和事件簿】火葬場、大パニック!?お骨の中にハサミが混ざっていた!





亡骸と遺族達が最後のお別れをする場所、火葬場。そんな大事な場所で今から45年前の1973年、身の毛もよだつような珍事件が発生したことを当時の毎日新聞が報じている。

記事によると、病気で亡くなった女性を火葬したところ、お骨のなかから手術用の長さ15センチのハサミ(手術用鉗子)が見つかり、家族が最寄りの警察署へ届け出るという事件があった。

署の調べによると、お骨に混じってハサミが見つかったのは69歳の女性で、同年4月上旬、東京町田市の市立病院で悪性の胃潰瘍と診断され、4月17日に胃の一部を切除する手術を行っていた。




手術は無事成功したとのことだが、翌日18日には尿が突然出なくなり、苦しみだした。女性は腎不全になり、尿毒症にも感染。一刻を争う事態となり、大きめの病院に移管され、当時もっとも効果のあるといわれた透析療法も試されたが、病状は改善せず、手術から10日後の4月27日に死亡した。

4月29日には葬儀が行われ、火葬が行われたのだが、お骨拾いに立ち会った長女が、彼女の腸に当たる場所に骨と一緒にハサミが混じっているのを発見した。

遺族は「手術が失敗したのはハサミが残されたためではないか?」と騒ぎになり、すぐさま検証が行われたという。

手術に立ち会った医師は「胃の手術には通常40本の鉗子を使うのだが、手術後は看護師が必ず本数を数えており忘れることはない」と語っているほか「(体内に)忘れた鉗子が原因で尿毒症になることはない」と証言しているが、異物であるハサミを体内に忘れたことにより腎不全を引き起こした可能性は高く、責任が問われたようだ。




通常であれば、絶対に有り得ない医療ミスではあるが、このようなハサミの置き忘れは日本国内国外に限らず、ごく希に発生することがある。

1976年にも京都に於いて、同様の手術用鉗子が火葬された男性から発見された事件や、1982年には東京都杉並区で胃がんの手術を受けた女性の体内に鉗子を置き忘れ、別の病院で発見されたがその後死亡した事件、また2005年という割と最近でも、佐賀の病院で心臓手術を受けた男性の体内にガーゼを置き忘れるという事件も発生している。

(文:穂積昭雪 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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