9月30日、日本列島を縦断して甚大な被害をもたらした「台風24号」はテレビ業界をも直撃し、大きな影響をもたらしたようである。
この日、日本テレビのニュース番組『真相報道バンキシャ!』では、通常の放送から突如切り替って台風特番を報道していた。
放送時点では台風24号は九州を抜け、関西地方へ近づきつつあり、JR東日本は20時から全ての路線を運行休止にすると発表していた。台風による影響で全ての路線が運休するのは異例であり、『バンキシャ!』では刻々と入ってくる様々な台風情報をライブ放送していたが、番組も終盤に差し掛かった18時52分頃、突然画像が乱れる放送事故が発生した。
『バンキシャ!』のカメラは和歌山県から中継されることで読売テレビのリポーターが現地に入っていたようだ。このとき既に和歌山県内は暴風域に入っていて、一部地域では停電が発生、避難勧告も出ているとレポーターが報告したその瞬間、画面にカラーバー(映像システムを評価するための基準となる信号)および「NTV-4」という日本テレビ系列を表すテロップが大写しになった。
バンキシャ!スタッフは和歌山の中継を打ち切り、司会の福澤朗は「映像が乱れており申し訳ございません」と謝罪した。
放送事故が発生した原因は不明だが、おそらくは和歌山県内の中継場所で停電が発生したことによる電波障害だと考えられている。しかし、今回の台風は日本列島各所に大きな爪痕を残していることから、ネットの一部では「レポーターさんの安否が気になる」「和歌山県が水没したのでは?」といった心配の声が相次いだようだ。
当然和歌山県が水没する訳はないのだが、避難勧告も出されている以上、現地に滞在するレポーターの身に何かあったのではないかとする声は実際に多かったという。
なお、近年ではカラーバーが出てくるタイプの放送事故は珍しいようで、今回の台風が異例の勢力で日本列島を通過していったことを物語っていた。
(文:安坂由美彦 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)
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