先日、ブラジルのアマゾン川流域など外界と接触していない部族が世界には100以上存在すると先住民の保護に取り組むNGO、サバイバル・インターナショナル(Survival International)が報告した。
これらの種族はアマゾンの熱帯雨林やインドネシアの島々など、地理的な理由から外界との接触が避けられる状況にあり、結果的に文明と離れた生活を送っているものと考えられている。
そんな「孤立した部族」が住む地域の中でも、インド洋に浮かぶ北センチネル島とその先住民は特に排他的で、住民たちは侵入者を拒み交渉しようとすると弓矢で応戦してくるとされているのだ。
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North Sentinel Island real footage. The most dangerous tribe in the world.
北センチネル島はほぼ密林でサンゴ礁に囲まれており、センチネル語を話すセンチネル族が数十名から400名程度住んでいるとされているが、未だに多くのことは解っていない。
1867年に初めてインドの船が北センチネル島付近で座標し、漂着したが住民から攻撃を受けてしまい、別の船に保護された際に閉鎖的な未開の部族が存在する事が判明した。その後、20世紀になって調査員や人類学者が研究のために接触を試みようとしたが、その際もセンチネル族に攻撃を受けて引き返す事になっている。1991年になって始めて行政当局による物資を受け取ったが、反応はなく未だに彼らは警戒を解いていないものと見られている。
2004年のスマトラ島沖地震の際は北センチネル島も被害に遭ったはずなのだが、彼らは救援物資を届けに来たヘリに弓矢を向けて威嚇、結局物資は届けられないままとなってしまったという。
このセンチネル族然り、他にも文明と隔絶した状態の先住民族は多いのだが、むやみに刺激したり安易に接触する事で、外界から彼らが抗体を持っていない病原菌を持ち込んでしまい、絶滅させてしまう危険性もあると見られている。そのため、彼らのような先住民族に対しては、付かず離れず観察をしながら経緯を見守る、という手段が最適な対応のようだ。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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