9月6日、ジオラマ作家の山本高樹氏がTwitterに投稿した、それはなんと約30年ぶりに告白されたという”秘密“がネット上で話題になっている。
山本氏は以前、エポック社の発売している子供向け玩具『シルバニアファミリー』のテレビCMの美術セットを手がけ、放送後そのCMを発注したクライアントから大きなクレームを受けたというのだ。
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クライアントの怒りを買った訳というのが、ホームパーティーのシーンに写りこんでいた「肉料理」の数々で、山本氏によると「……ファミリーにはフクロウやアヒル(海外版)とかもいたので、仲間の鳥類を食っちゃいかん!」と大目玉をくらったという。
確かに、シルバニアファミリーはクマもウサギもいれば、トイプードルやモグラまで仲良く暮らしている独特の世界感である。しかし、食べ物に関しては設定が徹底されており、彼らが食べるものはパンや野菜、エビフライといった魚介類くらいしか登場していない。当然現在発売している「食べ物セット」にも肉料理はひとつも存在しない。さすがに30年もの伝統を持つ、子供に配慮されたヒット商品である。
さて、こういった子供向け商品での「食べ物の規制」はシルバニアファミリー以外にも数多く存在するのをご存知であろうか。
例えば、大人から子供まで大人気の『ポケットモンスター』では、人間とポケモンとの種族を超えた友情がテーマのため、人間がポケモンを殺したり、食べるシーンが描かれることは絶対にあり得ない。
しかし、ポケモンの草創期である1996年当時の書籍には「(ポケモンは)食べると意外と美味しい」という記述があるほか、アニメ版の初期エピソードでは主人公サトシがコイ型ポケモン「コイキング」の活き造りを想像してヨダレを流す場面などのシーンが描かれていた。ところが、不思議なことに現在ではこれらの演出は”なかったこと”にされている。
さらに近年では親世代からのクレームが多いのか、子供向けキャラの『しまじろう』シリーズでは、登場人物は見た目がトラやウサギでも実在の動物とは一切関係のない「妖精」という設定にされて、我々と同じように肉を食べたりするシーンが描かれたりしている。その他にも、2017年に放送されたアニメ『けものフレンズ』では、肉食動物も草食動物も万能食材である「ジャパリまん」という饅頭を食べてお腹を満たすなど、テレビを見ている子供たちに残酷な描写しない配慮が行われているようだ。
しかし、たとえ子供が「残酷」に感じたとしても、「食物連鎖」は生命活動を維持するのに大切な摂理であり、いつまでも目を瞑っていていいというわけではないはずである。
生物学の観点からしても初期の『ポケモン』のように食物連鎖を感じさせるような演出のほうがより好感を持てるのではないかと感じるが、実際に皆さんはいかがだろうか?
(文:安坂由美彦 ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)
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