2,000年前に建築されたはずの寺院の壁に、不釣り合いな彫刻が存在していることが判明して話題になっている。
問題の彫刻はインドのタミル・ナードゥ州ティルチラーパッリ県に存在するパンチャヴァルナスワミー寺院。古代Chola朝時代に建設されたこの寺院の壁に、現代の自転車を押す人にしか思えない彫刻が発見されたのだ。
この彫刻を発見してYouTubeに投稿したPraveen Mohan氏は「寺院の壁の一角に、自転車に乗っている男の素晴らしい彫刻があった。自転車はおよそ200年前の1800年代に発明されたはずだが、この寺院を作っていた人たちは存在を知っていたのだろうか?」と語っている。
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世界で初めてチェーン駆動の自転車が発明されたのは1885年頃。彫刻をよく見ると曲がったハンドルに2つの車輪と、現代の自転車に非常に酷似した構造になっている。ここまで似た構造のものは実物を見ながら彫刻したとしか思えないのだが、よく似た遺物が存在したという話もない。だとすると彼らは遠い未来の道具を予言していたのだろうか。
しかし、この彫刻にはある見解が出てきている。地元のアマチュア歴史家のカリコバン博士によれば、2015年頃にこの彫刻は既に発見されていたのだが、寺院について調査していた役人や研究していた学者の誰もが、このような彫刻が存在するのか説明できなかったという。しかし、この寺院は1920年代に一度改装が行われている。
改装された時期は既に自転車が発明され広く一般に使われるようになっていた年代でもある。そこでカリコバン博士は「この改装の際に修復に携わった当時の彫刻家が自転車に感銘を受けたか、人物のポーズが自転車のハンドルを握っているように見えたので彫り足してしまったのかもしれない」と述べている。
しかし、いずれにせよ記録や証拠が見つかっていないため、後年紛れ込んだものなのかは結局解らないままとなっている。
自転車を押す男性の彫刻はオーパーツなのか、それとも間違った修復だったのか?結論は今後の調査を待つ必要がありそうだ。
(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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