中国のメディアによると、中国で126億円もの制作費をかけた大作映画『阿修羅』(アシュラ)が、興行成績が振るわず、公開からわずか3日で上映打ち切りとなったという。
『阿修羅』は仏教の守護神になったアシュラ王を主人公にした冒険ファンタジー映画で、大掛かりなセットを使った特撮シーンやCGが見所満載の映画だったが、観客から評判は散々で、客足も伸びず封切館からの撤退を決断したという。
公開からわずか3日という早期打ち切りは、近年の映画界ではかなり珍しく「いったいどんな内容の映画だったんだ!?」と逆に世界の注目を集めてしまったという。
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今回の『阿修羅』上映打ち切りのニュースを聞いて、日本の映画ファンの間では1982年に東宝で公開された映画『幻の湖』(監督:橋本忍)を思い出す人も多かったのではないだろうか。
『幻の湖』とは東宝の創立50周年を記念して作られた作品で、監督および脚本は『七人の侍』などの脚本で知られる橋本忍氏が担当した。
具体的な損失額は明らかにされていない。しかし、1982年に制作された当時の日本映画にしては約50億円という莫大な予算だった。また、全国ロードショーが予定されていたが、難解な内容および宣伝の失敗から観客が集まらず、公開からわずか2週間と5日で公開が打ち切りとなり最終興行収入は9000万円だったといわれている。
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映画『幻の湖』予告編
他にも『幻の湖』より観客が入らなかった映画は多数存在するが、莫大な予算を使用した作品かつ監督が大物脚本家ということもあり、『幻の湖』は「打ち切り映画」の代表してその題名を上げられる機会はいまだに多いようである。
また、不思議なことに、この『阿修羅』打ち切りのニュースが報じられた数日後、『幻の湖』の監督をした橋本氏が100歳で亡くなった。『阿修羅』と『幻の湖』には直接の関係はないが、何か数奇な縁を感じていた映画ファンは多くいたという。
(文:パンダ・レッサーパン・ダグラフ ミステリーニュースステーション・ATLAS編集部)