【都市伝説】「痩せる薬」(5)

【都市伝説】「痩せる薬」(4)より続く

Yさんは部屋で待つ事にした。しかし、いくら待ってもOさんは風呂から出てこなかった。1時間、2時間と待っても出てこない。さすがにおかしいと思い、Yさんは再び風呂にいるOさんに声をかけた。

だが、返事はなかった。Yさんは不安になった。もしかしたら倒れているのではないかと思った。

「入るよ!」




そう声をかけて風呂場の扉を開けた。風呂場には湯気がもうもうと立ちこめていて、扉をあけると共にもの凄い量の湯気が外に逃げていった。

Oさんは湯船に突っ伏すような恰好でそこいた。湯船はボコボコと泡立っていて、触れてみると凄まじい熱さで人が入れるような温度ではなかった。

蛇口から湯船に水が注がれていたが、湯の温度を下げるほどの量ではないようだった。Yさんは台所に取って返し、ゴム手袋を掴むと、それをはめた手でOさんを湯船から引き上げようとした。

上半身をひっぱりあげた瞬間、Oさんは信じられないものを目にし、絶叫した。

「ズボッ」と音がし、背骨と下半身を残し、上半身が抜けてしまったのだ。つかんでいる上半身もボロボロと崩れて行く。Yさんはあまりの光景にその場で気を失ってしまった。




気がついてみると病院のベッドの上だった。

その後何の連絡もないので心配になって見に来てみた大家に発見され、病院に運ばれたのだ。警察に事情を聞かれ、その時にOさんに身に起きたことを知る事になった。

Oさんは2日前から風呂に入りっぱなしだったという。Oさんの家の追い炊き器は当時としても古いタイプのものだった。自動で追い炊きが止まるようなタイプではなく、手動で止めるまでは、いつまでも風呂を炊き続ける。

まる2日間の間、Oさんは湯船の中で煮え続け、彼女の体は煮崩れを起こし、ボロボロになっていたのだという。

(※続く)

(監修:山口敏太郎)

画像©写真素材足成

 

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