以下はテレビ業界にまつわる都市伝説のひとつである。
1970年代後半、東京郊外に住む会社員の長女、Yちゃん(当時10歳)が自宅物置でロープに絡まり、意識不明の状態で病院へ担ぎ込まれた。Yちゃんは病院で心臓マッサージを受け、一時的に意識が回復したものの数日後、容態が急変し心臓衰弱で亡くなった。
Yちゃんは首や腰にロープが巻きついており、発見される直前まで妹と自宅物置で遊んでいたことがわかっていて、姉妹でふざけ合っているうちにYちゃんの首にロープに絡まり、事故に至ったという。
この事故は当時、全国紙の新聞で報じられるほどの大事となった。その理由はYちゃんがこの事故を起こす直前に視聴していたあるテレビ番組が原因ではないかとの疑惑があったからだ。
あくまで疑惑であるため、番組名はあえて実名で紹介しないが、その番組とは70年代に当時の子供たちを中心に多くの流行語を生み出したモンスター級の超人気番組『✖✖』だった。
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Yちゃんはこの番組の大ファンで、事故の直前もテレビにかぶりつく様に視聴していたのだが、その日の放送では出演者がロープを使って首吊り自殺のマネ事をする場面があったという。(放送コードも今とは大きく異なった70年代とはいえ、子供が見る時間帯のテレビ番組においてこのような自殺場面を想定したコメディーがあったことに隔世の感を禁じ得ない…)
ある全国紙では、Yちゃんはこの番組を真似て、ロープ遊びをしてしまった可能性が高いと見て「TV『✖✖』をまねる?小学生が首つり」という衝撃的な見出しの記事を掲載していた。
但し、Yちゃんの首吊り事故がこのテレビ番組が直接の影響だったのかは甚だ疑問であったようだ。事実『✖✖』はその後も10年近く放送を続けているため、後に「直接的な関係はない」ということが明らかになったようである。
なお、昭和のテレビ都市伝説にはスタジオにスタッフが全員集合できずに放送が中止になった事件、素人番組に出演した人物が指名手配中の犯人だったといった事件があるので合わせてご参照いただきたい。
(文:穂積昭雪 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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