【実話怪談】感染する怪異「壁親父」その3 より続く
編集業務を行っていたM氏の見た「壁から這い出てくるおやじの幽霊」こと「壁親父」。
彼がライブなどでこの話を語るたびに、聞いた人たちのもとに「壁親父」が現れたり、語り続けた本人が入院してしまったりしたので、本人にも話して「壁親父」の怪談は封印することになった。
その後、筆者山口敏太郎は自ら「壁親父」の封印を解く事になる。2003年新宿ロフトで行われた怪談馬鹿一代というライブにおいてである。
いたこ18号氏の主宰のライブは豪華メンバーで、新耳袋の木原・中山両氏、超怖い話の加藤・平山両氏が参加し、異様な盛り上がりを呈していた。
その、盛り上がりに刺激され、ついつい壁親父の話をしてしまった。ライブでは「聴いた人のところで何か異変があるかもしれませんよ」と釘を差しておいたが、壁親父は私のところにやってきた。深夜、私が自宅で就寝中、真夜中に目が覚めてしまった。
(こんな夜中に何故?)
私は妙な胸騒ぎを感じた。そして、みてはいけないという気持ちを抑えきれず壁を見てしまった。
奴がいるのである。黒い人の形をしたモノがいる。−奴は、壁から上半身を「にゅーっ」と出している。嗚呼、こいつが壁親父なんだ。私は妙に納得し、思いの外、冷静に観察し、再び眠った。幸いそれ以降奴は出ていない。
(山口敏太郎 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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