エジプトの5000年前のミイラから世界で最古とみられる入れ墨が発見された。
入れ墨の図案は上腕に野生の雄牛と羊、そして上腕と肩にS字のモチーフが彫られているという。雄牛の図案には長い尾と角が、羊の図案にはカーブした立派な角がそれぞれ精巧に描かれている。これらの図案は勇気と知識、その人物のステータスを示すものと考えられている。
問題のミイラはオスミミという名前の若い女性のミイラ。ルクソールの南約40kmのエジプトの南部のゲベレーンで見つかった。
今回のミイラは浅い墓に埋葬されたものだが、砂漠の熱、塩分および乾燥によって自然にミイラ化し保存されたものとなっている。放射線を用いた年代測定の結果、紀元前3100年頃の最初のファラオで地域が統一される直前に、紀元前3351年から3017年にかけて住んでいたことを示している。
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100年前に発掘されたもので、儀式の踊りで使用する杖が副葬品として出土している。ミイラをCTスキャンしたところ、背中の刺し傷がもとで18~21歳で亡くなった事が判明している。
今回の入れ墨は赤外線スキャンで見つかったもので、おそらく煤を用いて入れられたものであると見られている。
入れ墨の最も古い例は紀元前3370年から3100年の間に住んでいたと考えられているアルパインのミイラに見られたもの。こちらの入れ墨は縦や横の線で構成された単純なものであることを考えると、エジプトのミイラに残っていた刺青はやはり何らかの意味を持つものであったことが解る。
入れ墨の詳細は、Journal of Archaeologial Scienceに掲載されている。論文の主要著者の1人であるダニエル・アントワーヌと、大英博物館の物理的人類学キュレーターは今回の発見について、これまでに得られている装飾や装身具の歴史を塗り替えるものだと述べている。
(田中尚 山口敏太郎事務所 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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