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死者と勝敗を競っていた?古代エジプト最古のボードゲーム「セネト」

紀元前に繁栄を誇っていた古代エジプト。今からおよそ5000年前に発明され、ファラオから平民まで多くの人に親しまれたとされる、ボードゲームが「セネト」というものだ。

最も古いゲームの一つとされるセネトは一般に10マス×3列の30マスで構成され、一人5つの持ち駒をサイコロの目にしたがってゴールまで動かすものとなっている。

すごろくやバックギャモンのようなルールのもので、二人のプレイヤーのどちらが先にゴールへ駒を到達させられるかを競うものだ。


画像ウィキペディアより引用

もちろん親しい友人知人と一緒に遊んでいた事もあったろうが、セネトをプレイしている記録を遡っていくと、恐らく既に亡くなってしまった親や友人と対戦しているらしい描写が出てくる。

セネトの盤面は、スタートのマスに太陽が描かれており、途中のマスには死者の川を思わせる水を示すものも存在。ここからセネトのゲーム内容そのものが「死者が死者の国へと無事に向かう様子」を示し、単なる娯楽から精神的・儀式的な意味合いを持つものへと変化していったのではないかと見られている。

特にカリフォルニア州サンノゼのバラ十字エジプト博物館に現在保管されているセネトはこの特徴がよく現れている一つだとされ、「死後の世界に対する当時の人々の考え方が視覚的に表現されているのは珍しい」と考古学者のウォルター・クリストは述べている。

(田中尚 ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

画像 ウィキペディアより引用